できる人ほど「仕事の道具選び」に妥協しない理由 「よい道具」は使い続けることで進化していく
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茶道や武道の「稽古」と聞くと、敷居が高く古めかしいというイメージがあるかもしれません。しかし、多くの経営者は多忙にもかかわらず、稽古に打ち込んでいます。稽古にはリフレッシュ効果があるだけなく、健康、審美眼、創造力、問題解決力、コミュニケーション力などが高まるからでしょう。
稽古は、AIが持っていない「身体」と「感性」を活かして高度な知性を発展させる方法であり、今むしろ「最先端」なのです。
30年近くにわたり芸術・デザイン・ファッションを通じたブランド戦略に多数関わり、日本文化の魅力を伝えてきた梅澤さやか氏の新刊『エグゼクティブはなぜ稽古をするのか』をもとに、仕事や人生を豊かにする習慣を3回にわたり解説します(今回は2回目)
野球選手がバットを選び抜く理由
日本文化では、稽古と道具は切っても切り離せない深い関係にあります。
稽古をする人は、道具を通じて先人の知恵や技に触れ、それを自分のものとしていきます。そこでは、道具を知り、道具と向き合うこと自体が重要な学びのプロセスとなるのです。
これは茶道や書道に限った話ではありません。
メジャーリーグで活躍したイチロー選手は、「道具を大切にすることが、うまくなることにつながる」と語りました。この考えは、良質な道具を使用するだけでなく、その道具を使ってどのように稽古をして上達していくかの重要性を示しています。
イチロー選手は、自身のバットに入念な手入れを施し、その重さや質感を常に意識することで、バットの微細な変化にも敏感になっていったといいます。
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