旧ジャニ「解散のない"奇跡の20年間"」の凄まじさ なぜ「ジャニーズ事務所」は特別だったのか

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例えば、1999年、嵐がデビューした年を見てみよう。当時、グループ活動をしていたジャニーズのデビュー組タレントは、嵐に加えSMAP、TOKIO、KinKi Kids、V6、少年隊のみである。人数にして26名だ。そして、この26名のうち少年隊の3名のみが30代で、他は当時10代から20代だった。

だが、2023年のジャニーズ事務所の終盤の時点で、グループ活動をしている人数だけで80名以上にものぼり、さらにグループ活動を休止後も所属していたタレントや、グループには属していないが個人で所属していたタレントを加えると100名超の所属者がいた。

ちなみに、ジュニアの数自体も増えていて、2023年3月時点で200名以上おり※2、「10人ぐらいしかいなかった※3」と堂本光一が語っている90年代前半から比較すると、大きな変化だ。

99年には10代・20代を中心に30代が少し、といった構成だったが、現在は10代のジュニアから50代まで幅広い。つまり、“若い時にだけいる事務所”ではなくなってきていたのである。

当然、アイドルとしての在り方にも変化が起きる。井ノ原快彦はその変化にこんな言葉をあてている。

「昔は20代前半で解散しているグループが多くて、30歳の壁みたいなのがひとつあったと思うんですよね。(中略)今は長く応援してもらえるようになったので、アイドルの在り方も、この20年でずい分変わったなと感じます。“ラブメイト”だったのが“ソウルメイト”になっていく感じなのかな。(中略)共に同じ生活人として認め合いながら生きていく※4」

「アイドル寿命」が延びたゆえの弊害

自分たちでアイドルの寿命を延ばした一方で、それによる思わぬ弊害も起きる。KinKi Kidsの堂本光一はこう語っている。

「我々は、こういう仕事って5年、長くて7年もやれば十分だと言われていた時代の人間。だから、辞める人がいることは何ら不思議ではないんですよね。それがいつの間にか長く続ける人のほうが多くなって、『辞める』が衝撃のように扱われるようになっちゃった。もちろん、ファンの皆さんが悲しむ気持ちはよく分かるけど、自然な流れなんです、そもそもが※5」

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