「紅白に旧ジャニ出ない」は"テレビ崩壊"の始まり 2024年は既存メディアを必要としない動きが活発化
ジェイ・ストームのように映画まで自主製作していた人たちである。
“自分の頭で考え”“自前で作る”土壌は整っている。今後は組む仕事相手の顔色を気にせずに、彼らが作るエンターテインメントを、よりダイレクトに浴びることができるかもしれない。
「ジャニーズ」をプラットフォームにする
さらには2021年に関ジャニ∞(現・SUPER EIGHT)の村上信五がしていたこんな発言にも注目したい。
「高い理想を言えば、既存のプラットフォームじゃなく、全く新しいものを作れたらいいのになっていう気持ちはありますよね。せっかくジャニーさんが作ってきたジャニーズという母体があるんやから、借り物でなく、そこをプラットフォームにできるような方法がないのかなって※5」
ここではYouTubeなど、既存のプラットフォームを借りるのではなく、自分たちが新しいプラットフォームを作れないかという理想が語られている。理想として語られてはいるが、実はそれは彼らがしてきたことでもある。村上は「ある意味、その最たるものがコンサート※6」としてこう続ける。
「ジャニーさんが一番大事にしてきたステージや舞台に、エンターテインメントが詰まってたんやなっていうのをすごく感じる。何もないところに、自分たちだけの責任で作るっていうやつだから※7」
何もないところに自分たちだけの責任で作る。それを彼らはステージや舞台という形でずっとやってきていたのである。その先に、自分たちの手で新しいプラットフォームを作るという村上の理想も決して絵空事ではないはずだ。
ちなみにこの村上の発言は、コロナ禍で活動が制限された日々を振り返った上で出たものである。自分たちではどうにもならない事情で、他のメディアと組めなくなったとき――。その点では、性加害報道直後の状況と重なるものがある。
記者会見後のバッシング報道の最中、CMやテレビ出演が減少しても、自前のコンサートや舞台は行われ、変わらず盛況だった。バッシングの反動か、現場ではファンの熱狂や開催されること自体への感謝が強まっているようにも感じて「CM契約やテレビ出演が減少してジャニーズはピンチ」といった世間の言説とのギャップに拍子抜けするほどだった。
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