「紅白に旧ジャニ出ない」は"テレビ崩壊"の始まり 2024年は既存メディアを必要としない動きが活発化

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特にCMは、彼らが普段の活動で作り上げたイメージを一時的に使用する仕事だ。何か長期間にわたって稽古をする必要があるわけでもなく、撮影も1日程度で終わることが多く、彼らの追究する“芸事”とはかけ離れた仕事である。そして、CMではスポンサーや広告代理店、テレビ番組ではテレビ局と、発注主や共に組む仕事相手が存在する。

もちろんCMも稼働の少なさに反して大きな売上のある仕事ではあるが、これらがなくなっても、金銭的に事務所の屋台骨が揺らぐようなことは考えづらい。そもそも事務所は1回目の会見後に、1年間、広告・番組の出演料については報酬を受け取らないことを発表していたほどだ。

一方、彼らは自前の“芸事”の部分でも、きちんと売上を上げている。2022年のライブ売上は約478億、舞台は46億※1とも試算されている。さらにはファンクラブ収入も存在する。

報道では、CMの契約がなくなったことや、紅白をはじめとした音楽番組への出演があるかどうかなどが逐一報じられていたが、あくまでそれは彼らにとって“芸能界”における仕事でありプロモーションの部分とも言え、“芸事”の魂まで揺らがされるものではないはずである。

独立・分離の背景にあった“肥大化”の悲劇

だが、それが原因で退所者が出るとなると話は別だ。2回の記者会見の後、事務所からの独立を発表した二宮和也、岡田准一、生田斗真の3人はCMの契約社数の多い3人だった。特に近年、個人のCM契約社数TOP3は木村拓哉・岡田准一・二宮和也であり、その3人のうち2人が抜けたことになる。

二宮は「怖くなった」など、彼らは性加害報道後の周囲の変化が独立のきっかけとなったことを匂わせている。

もともとタレントとCM契約をしていた企業の中で、契約解除を発表した上で、タレントたちに事務所からの独立を促すような文言を発表した企業もある。その上、番組スポンサーやテレビ局の意向で、独立がテレビ番組出演継続の交換条件となっているといった報道もあった。

次ページ“芸能界”と“芸事”の間で引き裂かれた悲劇
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