90代でラグビー「衰えない向上心」が常識を超える 「ラグビーは最高だ」常に勉強も欠かさない

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自宅でトレーニングする様子
ラガーマンは首が命。ダンベルを使って鍛える(写真:『92歳のラガーマン ノーサイドの日まで』より)、提供:産経新聞社)
トレーニングの様子
ケガを防ぐため、柔軟性も重要(写真:『92歳のラガーマン ノーサイドの日まで』より、提供:産経新聞社)

子どもたちには「階段が危ないから、寝室を1階に移したほうがいいんじゃないか」と言われるのですが、階段の上り下りもぼくにとってはトレーニングの一つなのです。階段を上ることで、足の筋肉を鍛えることができます。

トレーニングの失敗も

ぼくの場合、ほとんどが自己流のトレーニングです。でも素人考えには失敗もつきものですから、注意が必要です。

数年前、足を鍛えるためのトレーニングに夢中になった時期があります。「片足を上げて地面をたたくように下ろす」というものです。筋トレに効果があるとともに、骨に刺激を与えて骨粗しょう症の予防にもなると聞き、「これはいい」とトレーニングに加えました。

92歳のラガーマン ノーサイドの日まで
『92歳のラガーマン ノーサイドの日まで』(主婦の友社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そこまではいいのですが、「もっと強く足を打ちつけると、もっと鍛えられるんじゃないか」と考え、駅の階段などを上るときにも、足をガンガンと力いっぱい地面に打ちつけていたのです。

若い人ならそれでもよかったのかもしれませんが、ぼくの場合はダメでした。ひざに血がたまってしまい、歩くことができなくなってしまったのです。大反省です。

→【前の記事】"黄金パンツ"の92歳ラガーマンが貫く「生涯現役」

長男の気持ち
父のひざが腫れあがったのは、たしか89歳の誕生日の夜だったと思います。実家に泊まっていた姉から連絡があり、(ぼくは整形外科医なので)とりあえず冷やすよう伝えました。
翌朝、注射器持参で出向き、父のひざにたまった血を抜きました。昔のスポーツマンは、どうしても「体を痛めつければ痛めつけるほど、強くなれる」と思い込んでいるふしがあります。でもそれで、ひざを壊してしまったら意味がありません。年齢的にも寝たきりになってしまうかもしれない。
無事にひざが元に戻ったので、ひと安心でしたが。そのときも、腫れあがったひざの父にまず聞かれたのは、「いつからラグビーができる?」でした。
父は常に「もっと向上したい」と思っているのです。以前、いっしょにラグビーの試合をテレビで見ていたら、「このプレーはこうやるのか?」とこまかく質問されました。
思わず「おやじ、もしかしてまだうまくなろうと思っているの?」と聞いたら、「当たり前じゃないか!」と強く言われました。父はもう90歳近かったと思います。わが父ながら、その衰えない向上心には驚くばかりです。
永山 隆一 医師

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ながやま りゅういち / Ryuichi Nagayama

1932年(昭和7年)大阪府生まれ。ラガーマン。医師。40歳以上のラグビークラブ「不惑倶楽部」の最高齢メンバー。元・東芝府中ラグビー部チームドクター。

小学生時代、鹿児島県への戦時疎開のため断念したラグビー。大学ではそのあこがれが叶い、ラグビー部を創設。以来70年以上、ラグビーとともに人生を歩んできた。1951年東邦大学医学部入学。1957年同大学卒業後、関東逓信病院(現・NTT東日本関東病院)、東芝中央病院(現・東京品川病院)などに外科医として勤務。

そのかたわら、1984年に永山クリニックを開業。現在は名誉院長。1993〜2002年、東芝府中工場(事業所)健康管理センター長も務めた。

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