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子どもたちには「階段が危ないから、寝室を1階に移したほうがいいんじゃないか」と言われるのですが、階段の上り下りもぼくにとってはトレーニングの一つなのです。階段を上ることで、足の筋肉を鍛えることができます。
トレーニングの失敗も
ぼくの場合、ほとんどが自己流のトレーニングです。でも素人考えには失敗もつきものですから、注意が必要です。
数年前、足を鍛えるためのトレーニングに夢中になった時期があります。「片足を上げて地面をたたくように下ろす」というものです。筋トレに効果があるとともに、骨に刺激を与えて骨粗しょう症の予防にもなると聞き、「これはいい」とトレーニングに加えました。
そこまではいいのですが、「もっと強く足を打ちつけると、もっと鍛えられるんじゃないか」と考え、駅の階段などを上るときにも、足をガンガンと力いっぱい地面に打ちつけていたのです。
若い人ならそれでもよかったのかもしれませんが、ぼくの場合はダメでした。ひざに血がたまってしまい、歩くことができなくなってしまったのです。大反省です。
→【前の記事】"黄金パンツ"の92歳ラガーマンが貫く「生涯現役」
長男の気持ち
父のひざが腫れあがったのは、たしか89歳の誕生日の夜だったと思います。実家に泊まっていた姉から連絡があり、(ぼくは整形外科医なので)とりあえず冷やすよう伝えました。
翌朝、注射器持参で出向き、父のひざにたまった血を抜きました。昔のスポーツマンは、どうしても「体を痛めつければ痛めつけるほど、強くなれる」と思い込んでいるふしがあります。でもそれで、ひざを壊してしまったら意味がありません。年齢的にも寝たきりになってしまうかもしれない。
無事にひざが元に戻ったので、ひと安心でしたが。そのときも、腫れあがったひざの父にまず聞かれたのは、「いつからラグビーができる?」でした。
父は常に「もっと向上したい」と思っているのです。以前、いっしょにラグビーの試合をテレビで見ていたら、「このプレーはこうやるのか?」とこまかく質問されました。
思わず「おやじ、もしかしてまだうまくなろうと思っているの?」と聞いたら、「当たり前じゃないか!」と強く言われました。父はもう90歳近かったと思います。わが父ながら、その衰えない向上心には驚くばかりです。