和田秀樹「悪意の口撃に乱されない感情の整え方」 感情コントロールには基本的な技術がある
もちろん「こんなの、相手にしなくていい」とわかっているのですが、うっかり読んでしまって腹を立てることが何度もありました。そこで対策を講じました。
まず、メールなら読まないことです。悪意に満ちたコメントを送ってくる相手は匿名がほとんどであり、件名を見ただけでイヤな感じがしますから無視。うっかり読んでしまった場合でも、反論なんかしません(といいながらたまにしてしまうのが、感情のこわいところですが)。
そんなヒマがあったら毎日、やることはいくらでもありますから、それを一つずつ片づけていきます。照影、これは感情コントロールの基本です。
そのうちわたしの意見に賛成してくれたり、わたしと同じような意見を伝えてくれるメールが届きます。こちらは礼儀正しく、冷静で、しかも決めつけをしていません。そういうメールを読むと、すっかり機嫌よくなるのです。じつに単純です。
でも、この単純さが感情のいいところです。つまらないこと、ほんとうにくだらないことでカッとなっても、そんなものは放っておいて、できることや、やらなければいけないことを淡々と続けていると、ふっといいことに出合います。その瞬間、気持ちが明るくなってしまうのです。
「感情的になる」ことを誤解していませんか?
神経症の治療法として世界中に広まっている森田療法には、「感情の法則」と呼ばれる考え方があります。詳しく説明すると専門的になりますが、その中に一つだけ、ものすごくシンプルなものがあります。
「感情は放っておけばだんだん収まってくる」という法則です。不快なことを気にすればよけいに不快な気分になりますが、感情というのは放っておけばそのうち静まってくるのです。
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