和田秀樹「悪意の口撃に乱されない感情の整え方」 感情コントロールには基本的な技術がある

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「腹が立つ」……放っておく。
「悔しい」……放っておく。
「憎い」……放っておく。

森田療法の基本的な考え方は「あるがまま」ですから、腹を立てることも悔しがることも、他人を憎いと思うことも、あえて否定はしません。どれも感情の仕業ですから、あるがままになっておけばいいと考えるのです。

感情的になってしまった「そのあと」

実際、「怒るな」といわれてもムリです。「悔しがるな」「他人を憎むな」、あるいは「嫉妬するな」「疑うな」「悲しむな」、すべてムリです。

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理性では、そういった感情が少しもプラスにならないとわかっていても、わたしたちはつい感情的になってしまいます。問題はそのあとです。

自分が感情的になったとき、そのイヤな感情にこだわればよけいにイヤな気分になってきます。たとえば他人のちょっとした物言いや態度に腹を立てたとき、「この人はいつもこうだ」とか「わたしをバカにしているんだ」と考えれば怒りはしつこく居座ります。

「わたしがあんな人にバカにされる理由はない」と思えば、怒りはさらにふくらんできます。すると、ささいなことにも腹が立ってきます。急ぎの仕事を回されただけで「なんでわたしが」と不快になります。頼みごとを断られれば「みんな自分勝手だ」と恨みます。これが、「感情的になっている」状態です。

一方の「腹が立つ」とか「悔しい」「憎い」といった気持ちは、単なる感情です。わたしたちは感情の生きものですから。そんなものはごく自然なこころの動きなのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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