和田秀樹「悪意の口撃に乱されない感情の整え方」 感情コントロールには基本的な技術がある
森田療法の基本的な考え方は「あるがまま」ですから、腹を立てることも悔しがることも、他人を憎いと思うことも、あえて否定はしません。どれも感情の仕業ですから、あるがままになっておけばいいと考えるのです。
感情的になってしまった「そのあと」
実際、「怒るな」といわれてもムリです。「悔しがるな」「他人を憎むな」、あるいは「嫉妬するな」「疑うな」「悲しむな」、すべてムリです。
理性では、そういった感情が少しもプラスにならないとわかっていても、わたしたちはつい感情的になってしまいます。問題はそのあとです。
自分が感情的になったとき、そのイヤな感情にこだわればよけいにイヤな気分になってきます。たとえば他人のちょっとした物言いや態度に腹を立てたとき、「この人はいつもこうだ」とか「わたしをバカにしているんだ」と考えれば怒りはしつこく居座ります。
「わたしがあんな人にバカにされる理由はない」と思えば、怒りはさらにふくらんできます。すると、ささいなことにも腹が立ってきます。急ぎの仕事を回されただけで「なんでわたしが」と不快になります。頼みごとを断られれば「みんな自分勝手だ」と恨みます。これが、「感情的になっている」状態です。
一方の「腹が立つ」とか「悔しい」「憎い」といった気持ちは、単なる感情です。わたしたちは感情の生きものですから。そんなものはごく自然なこころの動きなのです。
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