心配でつい口に「子どものやる気そぐ」NGな言葉 受験期は親子のコミュニケーションが重要に
同じ意味で、きょうだいや周りの子との比較も避けるべきです。周りで上手くいったケースが、その子にも同じように当てはまるとは限りません。「上の子はもっと頑張っていた」「お友達の子はこんなに成績を上げている」というのは、本人の努力を無視した言葉です。努力を促すようなつもりで言ったとしても、子どもにとっては余計なお世話でしかありません。
では、親としてはどのように子どもに接するのが理想かというと、私は「結果なんてどっちでもいい」というスタンスがいちばんだと思っています。「もっと勉強しろ」と言いたくなるのも、受験で成功していい人生を歩んでほしいという願いからなのはわかります。
ですが、子どもの努力そのものを本当に認めてあげられるのは、いちばんそばにいる親しかいません。周りの大人たちは結果でしか評価しないため、親までが受験の結果にこだわってしまうと、子どもの味方がいなくなってしまうのです。
受験は運の要素もある
受験には運の要素が排除しきれないため、志望校に合格できるかどうかは蓋を開けてみるまでわかりません。残酷なことではありますが、どれだけ努力したところで100%成功する保証はないのです。
だからこそ、親ができることは「結果はどうあれ、ここまで努力したことが立派だと思うよ」「受験を通じて成長を見てとれたことが親として嬉しい」と言ってあげることが、いちばんの薬になるのではないでしょうか。
もちろん、傍から見ていて口出ししたくなるタイミングもあるでしょう。試験が近いのにスマホを触っていたりゲームをしていたりする姿を見ると「本当に大丈夫かな?」と心配になる気持ちもわかります。
ただ、思春期の子どもは親が見ているところで努力している姿を見せたくないこともあります。たいてい、見えないところでやっているものです。むしろ、家にいる間もずっと一心不乱に机にかじりついているほうが心配です。心を休める場所と時間がないと、いずれパンクしてしまうでしょう。
私が家庭教師として生徒に接するときも、余計な不安やプレッシャーを取り除いてあげられるように、前向きな言葉をかけるようにしています。もちろん、生徒が現実を無視して、あまりに楽観的すぎる場合は注意することもありますが、できるかぎり落ち着いた気持ちで受験に向かえるように、基本的にはポジティブな声かけをしていきます。
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