心配でつい口に「子どものやる気そぐ」NGな言葉 受験期は親子のコミュニケーションが重要に

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ただ、結論から言うと、このような接し方はまったくの逆効果です。決して子どもが勉強する発奮材料にはなりません。

まず知っておいていただきたいのは、受験生の心は常に不安が渦巻いているということです。表面的には普段と変わらないように見えても、心の中は「落ちたらどうしよう」「やるべきことが多すぎる」「頑張っているのに結果が出ない」と悩んでいます。その原因の1つが、今の大学入試の難化・複雑化です。

入試は難化傾向、プレッシャーも大きい

2021年度からセンター試験が共通テストに変わり、難易度がさらに上がりました。たとえば、センター試験と共通テストで英語リーディングの中身を比べてみると、試験時間は変わらないのに、問題の総語数の平均が1.5倍に増えているなど、同じ点数を取るために必要な勉強量が格段に増えたのです。

さらに、今年度からは新しい科目である「情報」の追加、数学では出題範囲が数学Cまで拡大、国語と数学では問題数が増加するため試験時間が10分増となるなど、新課程の入試では受験生の負担がさらに大きくなっています。

それに伴い、早期からの受験対策が必須になっているため、学校や塾でも「もっと頑張れ」「こんな成績では志望校は厳しいぞ」とプレッシャーをかけられる機会も増えています。

そうでなくとも、自分と他人を比べてしまうのは人の常なので、子どもは受験の競争の中で常に葛藤を抱えています。頑張っているのに偏差値や模試の判定でいい結果が出ずに焦ったり、周りの子が成績を伸ばしているのを見て不安に駆られたりと、子どもの心は常に不安定な状態なのです。

そのため、親が「もっと勉強しろ」と声をかけてしまうと、ストレスが増えるだけになります。学校や塾で競争にさらされ、家だけが安らげる場所であるはずなのに、その家庭が落ち着いていないと、子どもの心が休まるところがなくなってしまうのです。

せめて親だけでも子どもの頑張りを認めてあげないと、受験本番までとても気持ちが持たないでしょう。仮にそんな状態で合格したとしても、入学後に「もう勉強なんてしたくない」と燃え尽きてしまい、その後の人生に影響を及ぼす可能性もあります。

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