「大学に編入学するという手段があることを知りました。その制度は3月に受けられる短期大学でも使えたので、いちばん4年制大学への編入実績がいい短期大学を調べて、国公立の後期試験が終わったあとに三重短期大学を受験して合格しました」
短大が自分の生き方を見直すきっかけに
編入学をする資格を得るために2年、三重短大の法経科第2部に通うことを決めた西村さん。編入に向けて勉強をする中で、学びの楽しさを知った彼は、この2年間を「自分の生き方を見直すきっかけになった」と語ります。
「三重短大は一般教養科目が多かったので、社会科学全般について幅広く学んでいました。浪人時代に現代文の勉強をしていたとき、柳田國男の話や、評論などが面白いと思ったこともあり、哲学や宗教に興味を持つようになりました。そのため、2年生からのゼミは歴史学のゼミに入り、哲学の勉強をするようになりました」
「学びたいことを探すのに役立った2年間でした」と語る西村さんは、哲学・宗教を深く学びたいと思い、法政大学人間環境学部の編入試験を受験します。論文と英語と面接の試験で、倍率も2倍を切っていたため「受かるだろう」と思っていましたが、まさかの不合格でふたたび「編入浪人」が確定してしまいました。
「今思えば、好きな本を読んだり、好きな授業を受けたりしていたのですが、受験勉強そのものはあまりできなかったのだと思います」
編入試験は一般的に3年生からの入学が多く、短期大学を卒業して出願資格を満たしていたとはいえ、編入浪人当時の西村さんは23歳。3年生から大学に入る段階でも「3浪」の年齢での入学が確定していました。
一方で、東京で毎日新聞の配達をしながら編入予備校に通うことを決意しましたが、最初の浪人と比べると、楽観的だったようです。
「落ちたこと自体はショックでしたが、それより勉強が楽しかったので、また浪人すればいいやと思えたんです。静岡大を辞めたときの受験は修業みたいな感じでしたが、今回の編入浪人では英語の勉強はある程度土台ができていましたし、編入試験を受けるのは楽しみだったので、総じて楽しく勉強できた1年でした」
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