台湾で続々とユニコーン企業が出現している理由 過去10年間でスタートアップ企業が倍増
2024年はさらに、クールジャパン機構と提携し、7500万から1億米ドル規模のクロスボーダーイノベーションファンドを設立。開発資本として初めて北東アジアに進出した海外ファンドとなった。
メインは革命的「ディープテック」
「新興企業の生態系には熱帯雨林のようにいくつもの層がある。生態環境が豊かであるほど、雨林は繁栄する」と邱徳成益鼎創投董事長、ベンチャーキャピタル協会理事長は語る。
新興企業の産業環境が活性化する中、業界は40周年を迎え、協会は「新興企業トップ100選」計画を開始した。50人のベンチャーキャピタルリーダーが審査を担当し、362社の応募企業から最も投資価値のある100社を選出。『今周刊』は審査チーム団長の邱徳成氏と共同分析し、4つの重要なポイントを整理した。
この分析から、テーマの多様化、ソフトウェア新興企業の台頭、そしてAIがあらゆる企業の必需品になったことで、新興産業に質的な変化が起きていることがわかった。
第1のポイントは、テーマの多様化である。今回選ばれた100社は、人工知能、情報通信ソフト・ハードウェア、デジタルクラウド、フィンテックおよびブロックチェーン、サイバーセキュリティ、半導体やIC設計、スマート製造、電気自動車、バイオ医薬品や医療機器、航空宇宙技術、物流倉庫、交通技術、グリーンおよび材料技術などの主要産業にわたっている。
これらのテーマの中には、多くの「ディープテック」も含まれており、革命的で実際に重大な工学や科学の問題を解決する技術を指している。例えば、眼球追跡技術を研究する見臻科技や、世界唯一の自動化ソフトウェア新興企業である伊斯酷軟体科技などが、ディープテックの商業応用の事例だ。
見臻科技はウィストロン、コンパルエレクトロニクス、メディアテックなどの大手企業から資金提供を受け、伊斯酷軟体も台聯電訊や台杉水牛五号基金から投資を受けている。両社ともディープテックが大手投資家を引きつけることを証明したのだ。
ハイブベンチャーズの共同創設者である李彦樞氏は、ビッグデータ、IoT、AIの新興企業に注目している。台湾は日本や東南アジアのAIおよびソフトウェアの新興企業に比べより堅固な技術基盤と深い人材層を持っており、多くのディープテックや基盤技術の会社、商業モデルが生まれている。
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