台湾で続々とユニコーン企業が出現している理由 過去10年間でスタートアップ企業が倍増

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

投資は産業政策と歩調を合わせる必要があり、国家発展基金、台杉投資、益鼎創投は、『今周刊』に対し、賴清德総統が提唱した「五大信頼産業」、すなわち半導体、AI、軍需、セキュリティ、次世代通信が今後の投資の主軸になるだろうと語っている。

奕微科や半導体検査の欧姆佳はすでに基金からの投資を受けており、奔馳科技には益鼎創投が、即思創意と振生半導体には鴻海やメディアテックなどの企業が注目している。

4つ目のポイントは、ソフトウェア企業が半数以上を占めていることだ。今回のリストでは、応募企業や選ばれた企業の半数以上がソフトウェア企業でありこれら新興企業の主流となっていることが示された。ただし、企業ごとの応用シーンやビジネスモデルには違いがある。

台湾の「ソフト」パワーが国際舞台に登場

審査員の一人である方頌仁氏は、過去の台湾の産業発展がハードに重点を置き、ソフト面を軽視してきたことを指摘。投資家はソフトウェア業界で利益を得られないため、投資を躊躇していたという。

しかしAppier、91APP、Perfectなどのソフトウェア新興企業が次々と国際舞台に現れ、台湾の「ソフト」パワーが認められるようになった。彼は大胆にも、10年後には台湾から数十社の純粋なソフトウェア企業が上場すると予測している。

チャンスがある一方で、課題も存在する。台湾各界はユニコーン企業育成をいくどとなく呼びかけてきたが、2021年になって初めて1社目が誕生した。

その後、Gogoroや17LIVEがSPAC(特殊目的買収会社、IPOを通じて資金を調達し、有望な未上場企業を買収するための会社)を通じて海外で上場したが、株価は低迷を続けている。2021年にカナダで上場したJust Kitchenも、後に上場廃止となった。

「最大の問題は、資源や人材ではなく、市場が十分に大きくないことだ」と郭大経氏は台湾の新興企業が直面する困難を指摘している。市場をどう開拓するかが企業成長の重要な課題となっており、創業時に定義した市場が大きければ大きいほど成功の確率も高い。

例えば、ディープトラベル体験をeコマースで提供するKKdayや、即時予約プラットフォームFunNowは、創業当初から国際市場を目指していた。「台湾の資源はすでに十分に多い。次に必要なのは、グローバル企業を設立し管理する能力だ。これが自らに課せられたハードルだ」と郭氏は語る。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事