子どもの勉強「教えないほうが伸びる」納得の要因 教え上手な人・下手な人の差はどこなのか?

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この「生徒に話させる」というのは、どの教科でも同じです。例えば、算数の文章題で「900m先の公園まで分速60mで歩いたら、何分かかるでしょう?」という問題を解く場合なら、

「距離・速さ・時間の関係の式って覚えてる?」

「うん」

「この問題だと、その3つのうちどれがわかるかな?」

「距離と速さかな」

「そうだね。じゃあこの問題は時間を求めるわけだから、式はどうなるかな?」

といったように、質問をはさみながら説明を進めていくとスムーズに指導することができます。

質問には質問で返す

もう1つのポイントである「質問には質問で返す」ことも大切です。

勉強を教えていると、「これってどういうことですか?」「どうやって解けばいいですか?」などと聞かれることが多々あります。

このときも、質問に対して一から十まで答えてしまうと、生徒の成長の機会を奪ってしまいます。そこで有効なのが「質問には質問で返す」ことなのです。

例えば英語を教えているとしましょう。“He must be hungry.” という英文をどう訳せばいいのかと聞かれたとします。

このとき、「彼はお腹が空いているに違いない」とすぐに答えを教えるのではなく、まず「mustってどういう意味?」と聞いてみるのです。

そこで生徒が「~しなければいけない」と答えたら、「~に違いない」の意味を覚えていないことがわかるので、テキストに戻ってmustの用法を確認するように指示します。

このように質問に対して質問で返すことからも、その生徒がどこまで理解していて何の知識が足りないのかがわかるのです。

さらに、この質問返しをすることでも、ムダな説明を省くことができます。先ほどの“He must be hungry.”の例で、生徒が“must”ではなく“hungry”の意味がわからなかったとしましょう。

ここで質問をせずに「この子はきっとmustの意味がわからなくて訳せないんだろう」と勝手に判断した場合、こちらがいくら一生懸命「must=~に違いない」だと説明しても、時間と労力のムダですよね。

生徒も「知りたいのはそこじゃないのに……」という気持ちで説明を聞かされて、集中力が下がってしまいます。このようなロスを避けるためにも、質問には質問で返すことが大切なのです。

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