リモートワーク廃止の流れは経営者の支配欲求? 日本企業が「アマゾンに続け!」となるのは危険
一方、少数ですが、一人で働くことでモチベーションの維持が難しくなったという、リモートワークに否定的な見解が聞かれました。
「当初は、朝メイクをする必要もなく、ウザイ飲み会も減って『やったー!』という感じでした。でも、人と会話する機会がめっきり減り、最近は疎外感を覚えます。まったく外出しない日とかは、『こんな暮らしでよいのか』と気持ちが落ち込みます。といって、コロナ前のように毎日出社というのも、勘弁してほしいですが」(IT)
経営者はブラックボックス化を懸念
逆に経営者は、すでにリモートワークの縮小・廃止に踏み切ったという場合だけでなく、これまで通り維持しているという場合でも、リモートワークの問題点を指摘していました。
「リモートワークによって、社員の会社への帰属意識が顕著に低下しました。コミュニケーションが悪化し、職場がバラバラになってしまいました。当社では、リモートワークをあくまでコロナ対応の緊急避難措置、コロナの負の遺産と考えています」(電機)
「当社では、チームワークを重視しており、今後できればリモートワークを廃止したいと考えています。よく『オンラインでもかなりの共同作業ができる』と言いますが、何とか対応できるというのと創造的な仕事をするというのでは、大きな隔たりがあるのではないでしょうか」(建設)
ここで、「リモートワーク反対の理由はいろいろあるけど、たいてい綺麗ごとです。単純に経営者は支配傾向が強いからですよ」(小売り)という興味深いコメントがありました。
支配傾向とは、他人を自分の意志に従わせて行動させようとする欲求のことです。多くの経営者は支配傾向が強く、部下を意のままにコントロールしたいと考えます。リモートワークで社員の行動がブラックボックス化し、自分の支配から外れてしまうのは、「経営者にとって許しがたいこと」(小売り)のようです。
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