
(写真:Luce/PIXTA)
重い足取りで会社に向かう。自席に1枚のメモ紙。
「一燈(いっとう)を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈に頼め」(佐藤一斎『言志四録』)
10年ほど前、関西のあるアパレル会社の部長が、こんな話をしてくれた。金融業から出向してきたが、まったく違う業界の仕事に戸惑い、うまくこなせない。「自分は何もできないのでは」と腐っていたときの出来事だという。
冒頭のメモは社長が書いたことを知ると、「社長は私を、社員一人ひとりを見てくれているんだと思いましたね」。とにかく自社の製品を自分の「一燈」とする気持ちで頑張ってみよう──。そう決意したという。
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