【地方実家は負の遺産?】「実家じまい」過酷現実 持っているだけでお金がかかり、リスクもある

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私の知人のUさんは50代。北関東の出身です。

実家のある地方は過疎化が進む地域にあり、高齢者ばかり。

両親の死後、実家が処分できずに困っています。

相続はしたものの、Uさん自身は大学から東京で暮らしており、仕事も家庭も東京にあるため、故郷に戻る予定はありません。

そもそも実家は立地が悪いため、二束三文でも買い手がつきません。

不動産業者に相談したところ「家屋を解体したほうが売りやすいかもしれない」とのことでしたが、それには300万円ほどの解体費用がかかるようです。

解体費用以上の価格で売れるかどうかもわからないのに、そんなお金は出せません。

空き家所有のさまざまなリスク

しかし、空き家のまま放置するのも心配ごとが絶えません。

庭木や雑草などが伸びて近隣に迷惑をかけるリスク、家屋が傷んで倒壊するリスク、不法投棄や放火、不法侵入など、犯罪に利用されるリスクがあるからです。

また、本来は更地にするよりも家屋が建っているほうが固定資産税などの税金が安いのですが、2023年末の法改正により、放置などによって「特定空家」に指定されると、固定資産税が6倍にもなります。

管理や費用をめぐっては、県外で暮らす姉との話し合いもうまくいきません。

さらに「代々の土地を売る気か」「きちんと管理しろ」と、親族にも横槍を入れられる始末……。

「こんなことなら、家なんて相続するんじゃなかった」というのが、Uさんの本音です。

家族の楽しい思い出が詰まった家に苦しめられるというのも、せつない話です。

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