松本明子が語る「実家じまい」の壮絶な苦労と教訓 特集「相続・登記・空き家2024年問題」インタビュー

松本明子さんは、両親の死後、空き家になった実家を25年にわたり維持し続け、リフォームを含む費用は1800万円を超えたという。そんな「しくじり体験」を持つ松本さんが語る、「実家じまい」に早めに着手することの大切さとそのポイントとは。
──香川県の実家を25年間維持し続けたそうですね。
17歳でデビューしてからずっと鳴かず飛ばずだったが、10年目、27歳でレギュラー番組が決まって仕事が増えてきた。やっと親孝行できると思い、定年退職した父と母を実家から呼び寄せ、都内のアパートで3人暮らしを始めた。
その後は年に数回は両親が香川に戻り実家の掃除や空気の入れ替えをしていたが、だんだんその頻度も下がり空き家になっていった。
選択肢になかった実家の処分
実家の処分は選択肢になかった。いずれ両親が香川に戻る可能性もあったし、「浮き沈みの激しい業界にいる娘がいつでも戻ってこられるように」との思いもあったからだ。だが、私が37歳のときに父が病に倒れ「明子、実家を頼む」と言い残し亡くなってしまった。