最盛期から半減「やきとり大吉」"反転攻勢"の秘策 課題は店主の高齢化、「白い大吉」で若返りを図る
鳥貴族と大吉が合併すれば1000軒以上の大型チェーンになる。鳥貴族もセントラルキッチンを持たずに自店で仕込みを行っており、クオリティの高い焼鳥を出す日本のNO.1、NO.2の企業が合体することで、スケールメリットやアイデアを最大限に活かせるのでは?というものだ。
前編でも少し触れたが、元々、エターナルホスピタリティグループの大倉忠司社長が鳥貴族を開業したきっかけは、元大吉店主が開いた焼鳥店での修行だった。今でも大吉を非常にリスペクトしており、「一緒に日本の焼鳥界を盛り上げていきたい」という気持ちをずっと持っていたそうだ。
それにしても突然すぎる。情報漏洩を防ぐ意味では仕方なかったのかもしれないが、加盟店には複雑な思いもあるのではないか。
そう尋ねると、自身もサントリーホールディングス出身の近藤社長は、「最寄り駅から降りて、自分の店に行くまでの間に鳥貴族の前を通る店主は多くいます。ですからもちろん、驚きや戸惑いはあったのではないでしょうか。それでも大吉の看板を持ち続けてくれたのは、『自分たちは、地元密着の生業だから』と納得してくれたからかもしれません」と店主をおもんばかる。
生業主義とスケールメリットの融合へ向けて
2024年9月の取材時で、同グループになってから1年8カ月が経過した鳥貴族と大吉。まずは協力の一歩目ということで、焼鳥の串を共通化し、コストダウンする取り組みが始まっているそうだ。また、鳥貴族には店舗開発部があり、大吉にはないため、商圏調査や物件情報の入手ノウハウをもらうこともあるという。
けれど、それ以外については、どのようにスケールメリットを生み出し、アイデアの交換をしていくのか、まだ模索中とのこと。2ブランドは同じ焼鳥中心の業態だが、さまざまな点で違いもあるからだ。たとえば、鳥貴族の顧客は20~40代中心で、大吉は30代後半~60、70代中心。鳥貴族は、駅からの徒歩圏内や繁華街に店が多く、地下や空中階の店が多い。大吉は、住宅街の1階路面店だ。
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