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石破政権の誕生は「日本経済正常化」の第一段階だ 真の経済発展政策「社会資本・主義」が始まる

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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第一は日本政治のパラダイムシフト。それは、自民党総裁選において、初めて「好き嫌い」では決まらなかったことだ。

これまでは、ほぼ全員、仲間として好かれているかで決まった。安倍晋三氏は、政策はともかく、休日を過ごすにはいい友人であり、小泉純一郎氏も変人ではあるが、嫌われてはいなかった。岸田文雄氏もいい人だった。

実は、これは自民党総裁選だけのことではなく、日本のリーダーシップとは、ほぼ常に好き嫌いで評価されているのである。いいやつ、仲間内のアニキ分、そういう人がリーダーになっている。だから、チームのキャプテンであって、ヒエラルキー(階級)の頂点ではない。今回の総裁選は、小泉氏が脱落したことで、決選投票は、好き嫌いの観点でいえば、究極の選択となったが、違う要素で決まった。

実は画期的だった自民党総裁選挙

違う要素とは、「政策」である。当たり前に聞こえるが、これは画期的だ。初めてのことだ。リーダーは、政策は持たず、みんなの意見をよく聞く、という人が望まれてきた。プレゼンとしては主張を出しても、それはプレゼンだけのための政策であり、評価する側も、政策の中身ではなく、政策の「響き」で決めた。しかし、今回は「もし高市早苗総理となったら、外交が不安だ。日銀や財政が不安だ」ということで、拒否されたのだろう。これは、自民党総裁選では、近年にはなかったことだ。

さらに、世界的に右傾化する政治の世界で、自民党では、右が破れ、左寄りが勝った。これは世界のトレンドを反転させる動きである。また、ネットで強いほうが負けた。これも近年のトレンドに反する。世界中の有権者から、日本の政治リーダーの決定は羨まれる、21世紀の急激な政策論争の堕落を止める、反転の動きとなったのではないか。

これらをひとことで言うと、「正常化」である。日本において、久々に、政治リーダーが、「普通に」、良識的に決まったのである。21世紀の退廃した、政治、経済、社会、文化の中で、正常化へ逆行した、画期的な転換なのである。

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