自民党総裁選挙(9月27日開票)が、思いのほか盛り上がっている。私のもとには「経済政策について、どのような論点があるか議論してほしい」という依頼がいくつかのメディアから寄せられた。
そんなものはない。
そう言ってしまうから、私の仕事は増えないのかもしれないが、事実だから仕方がない。経済政策は自民党総裁選においては、まったく関係ない。いや、衆議院選挙だろうが何であろうが、要は政治の世界に経済政策はもはや何の関係もないのだ。
巷で言う「経済政策」の4つのカテゴリーとは何か
ここで、経済政策の定義をしておくことが必要だ。
ちまたで経済政策と呼ばれるものの多く(第1のカテゴリー)はバラまき、つまり、有権者の買収的なものである。定額給付金、一時的な定額減税などがこれに当たる。
2番目のカテゴリーは、いわゆる景気対策である。景気対策と称して、第1のカテゴリーのバラまきを行うというのが近年のほとんどの例である。
本来、景気対策とは、マクロ経済の景気循環を均(なら)すことにより、長期的には価値のある企業や雇用を守るというものである。しかし、企業においては、価値がある企業に関しては、銀行や株主が自己利害から支援するはずであるから、政策対応は必要でない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら