日本の政治に「経済政策」などというものはない 経済政策の終焉か、政治そのものの終焉か?

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自民党総裁選挙に立候補を表明した小泉進次郎・元環境大臣。盛り上がりそうな総裁選をよそに、筆者は「経済政策は政治に何の関係もない」と言う(写真:ブルームバーグ)

自民党総裁選挙(9月27日開票)が、思いのほか盛り上がっている。私のもとには「経済政策について、どのような論点があるか議論してほしい」という依頼がいくつかのメディアから寄せられた。

そんなものはない。

そう言ってしまうから、私の仕事は増えないのかもしれないが、事実だから仕方がない。経済政策は自民党総裁選においては、まったく関係ない。いや、衆議院選挙だろうが何であろうが、要は政治の世界に経済政策はもはや何の関係もないのだ。

巷で言う「経済政策」の4つのカテゴリーとは何か

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。記事の一覧はこちら

ここで、経済政策の定義をしておくことが必要だ。

ちまたで経済政策と呼ばれるものの多く(第1のカテゴリー)はバラまき、つまり、有権者の買収的なものである。定額給付金、一時的な定額減税などがこれに当たる。

2番目のカテゴリーは、いわゆる景気対策である。景気対策と称して、第1のカテゴリーのバラまきを行うというのが近年のほとんどの例である。

本来、景気対策とは、マクロ経済の景気循環を均(なら)すことにより、長期的には価値のある企業や雇用を守るというものである。しかし、企業においては、価値がある企業に関しては、銀行や株主が自己利害から支援するはずであるから、政策対応は必要でない。

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