なぜ経済学者も政治家もバカになったのか? 今、日本に本当に必要な経済政策とは何なのか

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欧米は日本のバブル崩壊をバカにしていたはずだったが、2008年にはリーマンショックが起きた。世界も日本もバブルにこりていないが、経済学者も政治家もバカだから、なのだろうか(写真:REX/アフロ)

経済学者と政治家は、いつからこんなにバカになってしまったのだろうか。それは、世界的にも第2次世界大戦後、徐々に進んでいる現象だ。日本ではとくに、高度経済成長が終わり、1980年代のバブルで加速化し、アベノミクスによって決定的に壊滅した。

バブルにまったくこりていない世界と日本

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今回は日本に関しての議論が中心になるが、世界でも同じである。

アメリカでは、2000年には「ITの発達で景気循環がなくなり、リスクが低いニューエコノミーとなって、株価は新たな高みに行く」といわれた瞬間にITバブル(テックバブル)が崩壊し、さらに2001年のエンロン事件、同時多発テロによって、株価も経済も混乱、低迷した。

それにもかかわらず、バブルにまったくこりずに、1930年代の大恐慌の経験をねじ曲げて解釈し、「悪かったのは中央銀行が金融を早く引き締めすぎたからだ。バブルは潰してはいけない。崩壊してから、その後の混乱を大規模金融緩和で処理すればよい」という「FED VIEW」(中央銀行の見解)なるものが確立していた。

だが、2008年のリーマンショックで、それはまったくの間違いであることが判明した。つまり、100年かけて「進歩ゼロ」だった。

さらに、1990年代から2000年にかけては、日本が先進国では珍しいデフレに陥り、ゼロ金利に追い込まれ、苦肉の策として量的緩和なるものが発明された。このときも「ジャパナイゼーション」と呼んで、日本と日本銀行をバカにし、「俺たちはそんな間抜けなことはしないもんね、デフレもゼロ金利にもならないようにちゃんとするから」と言っていた。

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