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石破政権の誕生は「日本経済正常化」の第一段階だ 真の経済発展政策「社会資本・主義」が始まる

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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株式市場は、今後、短期的だけでなく、中期的にも下落するかもしれない。しかし、これは、長期的には株式市場の真の発展となるのである。現在の株価は、膨張した持続不可能なものであり、金融緩和に依存した金融相場、ムードによる上昇である。

そして、株主への迎合で上昇した分、PBR(株価純資産倍率)の改善を目指すだけでは、企業の中身は何も変わらない。株主還元を増やし、これまでの企業が蓄積してきた消費者や社会からの信用を、来年の営業利益に置き換えることに邁進し、長期の持続性、発展性を二の次にすることで、株主の利益、評価を高めるだけに終わってきた。

「正常化」に向かい、膨張部分は剥落へ

これが、本当のファンダメンタル改善、企業の長期持続へと向かう可能性がある。これこそ、株式市場、企業価値最大化の「正常化」である。バブルやムードでもなく、プレゼンだけでもなく、真に中身で勝負となるのである。

だから、膨張している部分は剥落するだろう。短期のキャピタルゲインを目指すアクティビストも減っていくだろう。世界中でブームを探してバブルを作り、それに乗るファンドも減るだろう。だから、短期には株価は、今後も下がるだろう。しかし、それは企業にマイナス、経済にマイナスであるからではない。長期の経済発展、企業発展のための「正常化」なのである。

日本経済に関しては、それ以上の転換点だ。石破氏の演説、インタビューを聞いていると、キーワードは「守る」である。

国を守る。災害から守る。国民を守る。地方を守る。農業を守る。これは、一見、消極的で、拡大・バブル戦略のアベノミクスに比べ、辛気臭く聞こえる。経済成長よりも分配。パイの拡大よりも格差縮小と聞こえる。

しかし、その「政策」が選ばれたのだ。これまでなら、メディアにこのような議論は徹底的に叩かれ、そして、人々はその雰囲気に流され、石破総裁候補は失速していただろう。「守る」ことを、社会がいまや求めているのである。したがって、これは社会全体が選好する、新しい経済発展政策、パラダイムシフトなのだ。

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