子どもの近視抑制対策は思うほど難しくない 「この子のため」と考えすぎると長く続かない

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ボーク:今の親世代、シニア世代ともに「子どもの頃、平日にどれくらい外で遊んでいましたか?」という質問をすると、2〜3時間という回答が一番多かったそうです。ところが、今の子どもで一番多い回答は0〜30分とのことです。習い事もいくつも掛け持ちすることもめずらしくありません。今の子どもたちは放課後も屋外で自由に過ごすことが減ってきています。

窪田:学習指導要領が改訂された2020年以降、教育の現場はどう変わったのでしょうか。

ボーク:2020年の教育改革は素晴らしいものでした。ですが、これまで認知教育に重点が置かれていた教育現場で「認知+非認知」にシフトするには時間がかかるでしょう。

なぜなら従来の生徒に「教える」から「生徒の思考力と主体性を『導く』向き合い方」をしていく必要があるからです。

近視抑制先進国ほど強制力のない日本でできること

窪田:確かに難しいでしょうね……。昔ながらの教育を受けていた大人でも、子どもの非認知能力を伸ばすためにできることがあるのでしょうか。非認知能力育児の第一人者として、ぜひ教えていただきたいです。

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ボーク:「モデリング」でしょうか。いわゆる疑似体験です。非認知能力を育てるにあたり、基本中の基本となるといわれます。

まず周りにいる大人たちがやり方のお手本(モデリング)を見せて、子どもたちの興味を引き出します。実践している大人を見ること、観察することで、それが子どもにとっての「環境」や「当たり前」となります。この過程を経て、子どもも大人と同じことを実践できるようになります。

モデリングでは、子どもの思考と行動の基準となる姿を、周りにいる大人がいかに見せられるのかが非常に重要となります。お手本とは「正しくやる」とか「完璧にやる」ということではなく「一つのやり方を見せる」ということです。

窪田:大人が「これをやりなさい」と一方的に口で指示するだけではないところがミソですね。まずは大人が率先してやってみる、やってみせる……ということでしょうか。

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