「小中学生の50.3%が近視になっている」という衝撃的な調査を文部科学省が発表したのは今年7月のことだ。データによると、わずかこの2年の間に約1割の子どもが新たに近視となったという。このことを憂いているのが眼科医の窪田良氏だ。
今回は、『近視は病気です』(東洋経済新報社)の著者・窪田良氏と、非認知能力育児のパイオニアであるボーク重子氏が、子どもの近視と子どもの心身の土台作りをテーマに4回シリーズで対談する。
第1回では、子どもの近視や心身の健康づくりに関し、他国での事例などを語り合う。
母の近視が遺伝しなかった娘
窪田:ボークさんは、非認知能力育児のパイオニアとして、子どもを思う存分に遊ばせ、遊びの中から問題解決能力をはじめとする非認知能力を育ませることを推奨されていますね。子どもの身体づくりにおいてそのお考えは素晴らしいと、眼科医として感じました。
ボーク:ありがとうございます。私も先生の書籍を大変興味深く読みました。実は、私も近眼で小学生の頃から眼鏡をかけていまして……。
窪田:そうでしたか。ご自身の近視が進んだ原因として思い当たることはありますか?
ボーク:私は幼少のころから読書が大好きでした。ですが、夜に本を開くと「早く寝なさい」と親に言われてしまうので、布団の中に本と懐中電灯を持ち込んで読書していました。
窪田:それは典型的な「近見作業」ですね。
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