モスが始動「5年で100店舗」狙う新業態の"懸念点" 駅ナカにジューススタンド、味も普通に良い、が…
筆者も早速訪れた。2024年9月時点では、ジュースやスムージーなどを9種類用意しているというが、その中で選んだのは「しっかりベジーなモスグリーンスムージー」。野菜を売りにしているだけあって、パイナップルの甘みも感じつつ、野菜の風味もしっかり感じる。
商品の面白さはもちろんのこと、駅ナカという立地も興味深い。駅ナカビジネスは、非常に収益性が高いことでも知られている。少し古いデータで恐縮だが、nikkei4946の調べによれば、2007年の段階において、1平方メートルあたりの年間売上高は、小売業全体で66万円に対して、駅ナカでは513万円となっており、駅の中での事業展開が格段に儲かることがわかる。
コロナ禍で駅の人流は激変したものの、モスのプレスリリースによれば、池袋駅の人流はコロナ禍前の約85%まで復活しており、十分な収益性が見込めるのだろう。駅の狭小物件でも十分展開できる可能性があれば、そこは金の鉱脈が眠っているともいえるのだ。
また、新しいカフェ業態である「山と海と太陽」についても、狭小面積での出店が可能であることに加え、そもそもコロナ禍以後、リモートワークなどの普及によってカフェの需要が増加したことも指摘しておくべきだろう。モスはコロナ禍の2020〜2021年から、コロナ後を見据えてカフェ事業に乗り出しており、「山と海と太陽」もその流れにある。
いずれにしても、この2つの新業態は、どちらともコロナ禍以後の状況に対応した業態開発といえるのだ。
多様化するハンバーガー業界
また、モスがこのように「ハンバーガー店」以外の新業態に積極的なのには、ハンバーガー業界をめぐる状況もあるだろう。
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