モスが始動「5年で100店舗」狙う新業態の"懸念点" 駅ナカにジューススタンド、味も普通に良い、が…

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もちろんのことながら、モスバーガーは既存のハンバーガー事業でも、さまざまなトライを行っている。その1つが日本らしさのある新メニューや、健康に配慮した新メニューの開発だ。

古くは1987年に誕生したライスバーガーなどがその代表例だが、近年でも大豆を用いて肉を使わないハンバーガー「ソイパティ」などを生み出している。これらも、「健康」という側面から「人間性への重視」を支えている。

最大にして唯一(?)の懸念点は「価格」か

ドンキにはなぜペンギンがいるのか (集英社新書)
『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「両利きの経営」という言葉がある。経営には、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」の2つが必要だという考え方である。モスバーガーは、まさにこの「両利きの経営」を行っているのではないか。そして、その2つの底には、「人間性の重視」という精神が流れていると思うのだ。

もっとも今回のジューススタンドに課題は多い。筆者が気になったのが値段。多くのドリンクが180mlで500円と少々高いのだ。都心価格の範疇っちゃ範疇なのだが、量を考えるとお高めなのは否定できない気もする。

ここまで良い話をしていただけに、気になっていた読者の中には「ちょっと、いいかな……」「お財布にとっては、サスティナブルではないな……」と思った人もいるかもしれない。

とはいえ、池袋の1店舗のみの展開だから、実験的な価格なのだろう。モスの流通網を活かして、値段をある程度下げていく必要があるようにも感じた。いずれにしても、この新業態の「探索」をどのように進めていくのか、注目されるところだ。

モスのジューススタンドの商品その4
トマトを使ったスムージー(出所:「Stand by Mos」公式サイト)
モスのジューススタンドの商品その3
こちらが筆者が注文した商品(出所:「Stand by Mos」公式サイト)
モスのジューススタンドの商品その2
ベリー系のスムージーもある(出所:「Stand by Mos」公式サイト)
モスのジューススタンドの商品その1
これらの商品のほかにも、420円のジュースなどがある(出所:「Stand by Mos」公式サイト)
谷頭 和希 チェーンストア研究家・ライター

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

チェーンストア研究家・ライター。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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