前職を退職した後に再びフリーライターとして活動していた鈴木さんだが、まずは生活を安定させようと福利厚生の充実したメディア運営会社に就職。カウンセラーや精神科医、共通の知人・友人の力も借りながら、結婚生活を続けられる道を探った。しかしうまくいかなかった。
「彼女と過ごした4年間には楽しい思い出もたくさん作れました。けれど、一緒にいるとつらい時間が増えてしまい、互いに無視する期間も生まれてしまった。関係を修復するために何度も話し合い、ふたりが心身ともに健やかに過ごせるよう模索しましたが、精神的に限界が来てしまったんです」
夫婦だけで解決するには大きすぎる問題を、ふたりは抱えていたのかもしれない。結局、このままでは共倒れになると思い、話し合って離婚を決めた。
「夫婦というつながりを"絶対"だと思う人たちから、僕は『逃げた』と言われるかもしれません。僕自身、いまだに『もっとうまくやれたのではないか』『彼女を見放してしまったのではないか』と考えることもあります。でもそう言ってくる人たちが、僕の人生に責任を持ってくれるわけではないですから……。
僕たちは周囲の人との関係性のなかで生きていますし、助け合うこともできる。でも最終的に、自分の人生に責任を持って、主体的に行動できるのは自分自身だけなんです。
彼女と別れることを選んだからには、まずは自らを幸せにして、安定していかなければいけない、と思いました。だから僕は、ひとり暮らしを始めたのです」
すべてがうまくまわっていた20代から、試練の30代を経て、心身を安定させるために、鈴木さんには「ひとりで暮らす空間」が必要だった。
疲れた心を、ニュートラルな状態に戻す部屋
ひとり暮らしに戻って良かったことのひとつは、インテリアを自分好みに整えられることだと、鈴木さんはいう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら