戸建て住宅で「騒音」トラブルが起きやすい背景 ボール遊びや家庭用給湯設備の「音」まで多様に

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また新築で家を建てる場合、最初から住宅の隙間を極力なくし、気密性を高める(気密性を測る指標「C値」を低くする)ことも有効になる。隙間が少なくなることで防音対策にもつながるからだ。

エコキュートやエネファームなどの家庭用給湯設備を導入する場合も、近隣住宅の寝室などに隣接しないか、また逆に自宅が隣家の給湯器設置場所に隣接していないかなど設置場所や間取りを慎重に検討しなければならないだろう。

エアコンの室外機も同様だ。

物理的防音対策とコミュニケーションの両輪が不可欠

近隣との騒音トラブルを避けるためには、このようなハード面での対策が重要となる。そのうえで早朝や深夜など「音」を出す時間に配慮し、「相手の立場に立って考える」ことが大きな意味を持ってくる。

騒音問題に限らず、近隣トラブルというのは小さなすれ違いや、互いなかなか言えずにたまっていた不満が爆発してしまって話が大きくなり「こじれて」しまう。そしていったんこじれると、解決の糸口が見いだしにくくなってしまうのが実情だ。

戸建てであっても集合住宅と同じく、隣近所とのコミュニケーションがカギとなる。近隣の住民との良好な関係を築いていれば、問題が発生した場合も円滑に解決できる可能性が高くなるからだ。

そのうえで各々が二重窓や換気扇のサイレンサーなどハード面での対策を講じるよう努める必要がある。「音を入りにくくすること=音を出しにくくすること」につながると理解し、誰しもが音を出す側、出される側どちらにもなり得ると認識しよう。

隣人から「音が気になる」と伝えられた場合も、まずは前向きに捉え、解決策を講じることが重要だ。

そして最終的には「お互いさまの精神」を持ち、相手の立場に立って相互理解を深めること、これこそが騒音トラブル解決の第一歩となるはずだ。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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