こちらが、ブラックホールの七不思議です。1つずつ、一緒に見ていきましょう。
① 天体なのに、「表面」がない
② 一度入ると、二度と抜け出せない
③ 時が止まる
④ S・M・Lサイズがあるが、Lはなぜ存在するのか不明
⑤ 宇宙人を引き寄せる!?
⑥ 何でも吐き出す「ホワイトホール」もある?
⑦ ブラックホールのなかに「別の宇宙」がある!……かも!
表面がなく、一度入ると脱出不可能
ブラックホールは天体の一種なので「大きさ」や「重さ」がありますが、地球のように人が降り立てる「表面」があるわけではありません。土星や太陽のようにガスでできていて、表面がふわふわしている、というわけではありません。
天体は、重力によって物質が集まってできています。地球や太陽の場合、重力によって集まろうとする力と、内側から抵抗する圧力がバランスして形が保たれています。
しかしブラックホールの場合、内側から支える力が足りず、中心のミクロな1点にすべての物質が集まってつぶれている、という状態になっているようなのです。
この点のことを専門用語で「特異点」といいます。
ブラックホールがこの宇宙に存在することは、数々の観測事実から間違いありません。ただ特異点では既存の理論が破綻してしまうため、実際にはどんなふうに物質が集まっているのか、つまり、ブラックホールの穴の中がどうなっているのかは、まだわかっていないのです。
そこで現在、新しい理論(「量子重力理論」)をつくる研究が進められています。
ブラックホールには天体としての「表面」はありませんが、「ここから先はブラックホールです」という「境界」はあります。その境界がブラックホールの「大きさ」を表しています。
境界とはいっても、「立入禁止!!」のようなわかりやすい目印があるわけではなく、もし、うっかり侵入してしまうと、二度と抜け出すことはできません……。
いったん境界を越えると、宇宙で最も速い光でさえも逃れることはできないのです。
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