正確にいうと、輝くのはブラックホールのまわりです。ブラックホールの周辺にガスが漂っていると、穴に吸い込まれるときに猛スピードに加速されます。ガスはこすれ合って熱くなり、とてつもなく明るい光を発するのです。
銀河の中心にあるLサイズのブラックホールにガスが吸い込まれるときに、宇宙でいちばん明るい天体(「クエーサー」)となります。ブラックホールの大きさや、穴に落ちるガスの量によって、ブラックホール周辺の輝きかたは変わります。
放射性廃棄物を再利用する高度文明が存在?
ブラックホールは発電効率がよく、少ない燃料で大きなエネルギーを取り出すことができます。
Lサイズでなくても、ブラックホールに物を落としてエネルギーを使いやすい形で取り出すテクニック(ペンローズ過程)もあります。
便利なことに、捨てるゴミは何でもOK。ブラックホールに放射性廃棄物を捨ててエネルギーを得る、という使いかたをすれば、ブラックホールは、環境問題とエネルギー問題を同時に解決できる優れモノとなります。
地球のそばにブラックホールを置いて利用できたら便利ですが、そんなことができるのは、人類よりもはるかに高度な技術をもつ宇宙人でしょう。
高度な文明であれば、ブラックホールの有効性に気づいているはず。ブラックホールの周辺を調べたら、宇宙人の都市がごろごろ発見されるかもしれませんよ。
世の中のいろんなものに「表と裏」「光と影」があるように、ブラックホールにも反対の性質をもつ「ホワイトホール」がある、という仮説があります。
何でも吸い込むブラックホールに対し、ホワイトホールは何でも吐き出します。
おもしろいことに、「ブラックホールに吸い込まれた先に『ワームホール』という時空のトンネルがあり、奥に進むとホワイトホールにつながっていて、そこから外に吐き出される」という仮説もあります。
これが本当なら、果てしなく離れた2つの地点をワープできるということになりますね。
ホワイトホールやワームホールは「理論上はあり得る」というものです。しかし、残念ながら、ホワイトホールやワームホールの存在を示す観測事実は、いまのところ見つかっていません。
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