「ブラックホール」で"時が止まる"は本当なのか? 何でも吸い込む「天体のラスボス」7つの不思議

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「ブラックホールの境界を見ると、時が止まったように見える」のです。

ブラックホールに吸い込まれる人は、境界付近にピタッとはりついたように見えます。その人が穴に消えて行く結末を見届ける前に、見ている側の人が先に寿命を迎えてしまうでしょう。

つまり、「ブラックホールの境界を見ると、時が止まったように見える」のです。

成長過程が謎のLサイズブラックホール

【ブラックホールの「七不思議」④】S・M・Lサイズがあるが、Lはなぜ存在するのか不明

いま知られているブラックホールは重さによって3つに分類されます。ここではわかりやすく、S・M・Lサイズと呼ぶことにしましょう。

【3つのサイズのブラックホール】

Sサイズ 太陽の数倍〜数十倍の重さ(恒星質量ブラックホール)
Mサイズ 太陽の100倍〜数十万倍の重さ(中間質量ブラックホール)
Lサイズ 太陽の100万倍〜100億倍の重さ(超大質量ブラックホール)

Sサイズのブラックホールは、星の死後に現れるものです。ブラックホールは奇妙すぎる天体ですが、恒星の一生を考えると、ごく自然に生まれてきます。

一方、Lサイズのブラックホールは、銀河の中心にあるものです。じつは、ほとんどすべての銀河には、その中心に巨大なブラックホールが鎮座しているのです。その巨大さゆえに「モンスターブラックホール」と呼ぶ研究者もいるほどですが、その成り立ちはわかっていません。

ブラックホールが大きくなるには、「ガスや星を吸い込む」か「ブラックホール同士で合体する」かの2つの方法しかありません。つまり、エサを食べるか、共食いをするか。

しかし不思議なことに、このLサイズのブラックホールは、宇宙が始まってそう間もない時期(宇宙誕生から数億年後)に誕生しています。

「どうやって限られた時間で体を巨大化させたのか?」ということが未解決の問題なのです。

解決の糸口になると期待されているのは、Mサイズのブラックホールです。Mサイズは、SサイズからLサイズへの成長途中にあるものと考えられており、Mサイズのブラックホールを調べることで、Lサイズへの急成長の秘密がつかめるかもしれません。

【ブラックホールの「七不思議」⑤】宇宙人を引き寄せる!?

何でも吸い込むブラックホールは、すさまじいエネルギーを生み出す能力があります。場合によっては、ブラックホールは、宇宙でいちばん明るく輝くこともあるぐらいです。

光さえも逃さないのに、明るく輝くなんて矛盾していると思いますよね。

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