JR九州上場と新国立競技場問題を考える

国民の税金を勝手に使わせてはならない

JR九州が誇る「ななつ星in九州」の車内(撮影:梅谷秀司)

九州旅客鉄道(以下、JR九州)の完全民営化に向けて、6月に改正JR会社法が成立しました。今後は、2016年秋の上場に向けて、必要な手続きが進められていきます。

JR九州の上場については、私は本コラムで何度か意見を述べてきましたが(「JR九州は、このままでは上場できない」記事参照)、いちばん大きな問題は「経営安定基金」3877億円の扱いです。

経営安定基金については後で詳しく述べますが、赤字の在来線の収益を補塡するために基金の「運用益」をJR九州に与えているものです。この原資は国民の税金で、私が何を問題にしているかというと、上場に際し、JR九州は基金の運用益でなく、基金そのものをもらってしまおうとしているということです。

繰り返しますが、基金は「運用益」をJR九州に与えるために国民のおカネを使って「預けておいた」ものなのですが、それをもらってしまうとしているのです。

国民の財産のはずが……

もともとは国民のおカネですから、上場するなら、基金は国庫に返すべきか、あるいは、政府に対する借入など(たとえば資本性の高い「永久劣後債」にするなど)とすべきで、いずれにしても、政府(=国民)の財産とすべきものです。

ところが、JR九州は、上場に際しそれを自分のものとしてしまい、整備新幹線の路線の賃料などに充てるとしています。これは、一般企業で言えば、上場に際し、それまで株主から入れてもらっていたおカネ、あるいは借りていたおカネを自分のものとすると言っているのと同じです。とてもおかしな話だと私は思っています。

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