東日本で新たに新幹線が走るのはここだ! 特急列車の本数を基に独自予想
今から半世紀前に開業を果たした東海道新幹線は、在来線である東海道本線の輸送力が行き詰まったことから建設された、文字どおりの「新たな幹線」である。東海道新幹線開業前年の1963年10月当時、東京-大阪間には14本の特急列車が日中の時間帯に運転され、満員どころか定員オーバーとなる列車すら走っていた。建設に当たって、東海道新幹線はその必要性が問われたものの、現実には1964年10月1日の開業すら、遅きに失したといえるであろう。
山陽新幹線、東北新幹線の東京-盛岡間、上越新幹線も、在来線の各線の輸送力が限界に達した結果、建設されたものである。たとえば、上越新幹線開業前年の1981年6月の時点で並行する在来線に運転されていた昼行の特急列車は、大宮-高崎間で64本、高崎-新津間で38本、新津-新潟間で32本であった。これらのほかに特急列車の役割を補う急行列車、それに通勤、通学の足となる普通列車、さらには貨物列車も多数運転されていたので、仮に新幹線が建設されていなかったら今日どのような惨状を呈していたのか想像もつかない。
在来線だけでは輸送量が足りない路線も
時は流れ、新幹線の建設目的は在来線の救済とは言えなくなった。全国新幹線鉄道整備法(全幹法)第一条を見ると、「(前略)もつて国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする」とある。輸送力増強だけでなく、経済発展や地域振興が重視されている。
いわゆる整備新幹線として開業した東北新幹線盛岡-新青森間、北陸新幹線、九州新幹線、それから2016年春の開業を目指す北海道新幹線新青森-新函館北斗間は同法第一条の趣旨に基づいて建設が決められた。したがって、並行する在来線の輸送力が逼迫していたとは必ずしも言えない。新幹線の開業後、並行する在来線の多くの経営がJR各社から切り離され、第三セクター化されたという事実からも明らかだ。
その反面、全国のJR各社の在来線のなかには多数の特急列車が行き交い、輸送力が限界に近づいているとおぼしき区間も見られる。輸送力に関する状況を最も容易に判断可能な指標と言えば各路線に運転されている特急列車の本数だ。しかし、意外に得られにくい情報となっており、かつては市販の時刻表の巻頭に記されていたものだが、いまは掲載されていない。
今回は2015年3月14日の時刻改正後のデータをもとに、平日に毎日運転されている特急列車の本数を数えてみた(表は最終ページに掲載)。特急列車には、たとえば札幌-網走間を結ぶ「オホーツク」のように、札幌-旭川間の都市間輸送もという具合に複数の役割を担うものも多い。そこで、特急列車の本数が変化する駅ごとに区切って本数を集計した。系統名は筆者が便宜上付けたものである。
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