東日本で新たに新幹線が走るのはここだ! 特急列車の本数を基に独自予想

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列車の本数に加え、「本数×1列車当たりの平均連結両数」から求められる総連結両数も指標に加え、各区間の輸送状況がより詳細に把握できるように試みた。本数と総連結両数とを用いることにより、輸送力の行き詰まりの度合いがより明瞭に浮き彫りにされるであろう。

今回は全幹法に関連して立てられた「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」にリストアップされた新幹線のうち、未開業のものについて、並行在来線を行く特急列車の本数と総連結両数と2つの指標をもとに必要性を占ってみたい。全国を2つに分け、JR北海道・JR東日本・JR東海の各管内を今回、JR西日本、JR四国、JR九州の各管内を次回にそれぞれ紹介することとした。

ご参考までに、先に挙げた上越新幹線開業前の並行在来線を行く特急列車の総連結両数を挙げておこう。大宮-高崎間で768両、高崎-新津間で456両、新津-新潟間で384両であった。この数値はいまでも参考になると筆者は考える。

JR北海道の新たな新幹線計画は

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北海道新幹線。JR東日本のE5系がベース。形式名はH5系。英語の社名「Hokkaido Railway Company」の頭文字を表している

JR北海道管内で未開業の新幹線として挙げられるのは北海道新幹線の新青森駅-新函館北斗-札幌-旭川市間、北海道南回り新幹線の長万部町-室蘭市附近-札幌市間の2つだ。うち、北海道新幹線新青森-札幌間は着工済みで、新青森-新函館北斗間は2016年春、新函館北斗-札幌間は2031年春にそれぞれ開業の予定となっている。

JR北海道の特急列車のうち、本数、総連結両数が最も多い区間は函館線系統の札幌-旭川間の60本、284両だ。札幌-旭川市間には北海道新幹線の計画が存在するものの、着工には至っていないし、いまのところその予定もない。

現在建設中の新青森-札幌間に並行する在来線の特急列車の状況はというと、新青森-函館間では20本、120両、函館-長万部-東室蘭間では32本、188両である。北海道新幹線は長万部-札幌間では倶知安(くっちゃん)、新小樽(仮称)の2駅を通ることとなってはいるものの、並行する函館線長万部-札幌間には特急列車は1本も運転されていない。

以上から、新青森-札幌間の在来線では輸送力にまだ余裕があることが明らかだ。地域振興に重きが置かれているのだろう。

「北海道南回り新幹線」の可能性

室蘭を経由して長万部と札幌を結ぶ北海道南回り新幹線という計画がある。

函館・室蘭・千歳線系統の東室蘭-札幌間を行く特急列車の本数は42本、総連結両数は238両と、JR北海道管内では札幌-旭川間に次ぐ輸送需要が 生じていることを意味する。したがって、北海道新幹線の建設は新青森-長万部間にとどめ、北海道南回り新幹線を先に建設したほうが得られる効果は大きいのではないであろうか。

次ページ新幹線にするべきJR東の「あの路線」
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