「好んで西武池袋線に住む人はいない」のは本当か 池袋の文化度は「東急系の渋谷」に負けていない

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西武池袋線の沿線には魅力が多いのだが……(写真:スポッティー /PIXTA)
西武池袋線も東急田園都市線、JR中央線快速も都心から郊外に延びる電車という点で共通しているのに、ある歴史家が「好き好んで西武池袋線に住む人はいない」という意味合いのことを語っているそうです。本当にそうなのか。『西武池袋線でよかったね』(交通新聞社新書)の冒頭部分を抜粋して紹介します。「なんにもないと思われている土地にも歴史はある。それをちょっと知るだけで『まち』が違って見える」――。

池袋の微妙さ

誤解された方には申し訳ないが、この本は鉄道本ではない。どうしてそんなタイトルにしたのかというと、「西武池袋線」ということばが、多くの微妙さを含意しているような気がしているからだ。「西武池袋線」は比喩と考えていただきたい。

いうまでもなく実際の「西武池袋線」は、池袋から東京の郊外を抜け、埼玉県にいたる私鉄である。

まず、池袋という土地からして微妙な感じが漂っていないだろうか。ひじょうにでかいターミナルなんだけれど、どこか垢抜けない。かつて東口・西武百貨店にはセゾン美術館があり、その向かいには「音と映像」の専門ビルWAVEが建っていた時代があった。

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