東日本で新たに新幹線が走るのはここだ! 特急列車の本数を基に独自予想

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長万部-札幌間の特急列車は全長206.4kmとなる室蘭・千歳線経由で走る。函館線経由の174.0kmと比べて32.4km大回りとなるルートを選択する理由の一つは、函館線経由では急勾配区間が多いからというものだ。このため、長大トンネルの建設によって勾配を緩和した北海道新幹線が倶知安、新小樽経由として所要時間の短縮を図るという趣旨は理解できる。

しかしながら、室蘭・千歳線経由であれば、人口5万人以上の都市である室蘭(約9万人)、登別(約5万人)、苫小牧(約17万人)、千歳(約10万人)、恵庭(同7万人)、北広島(約6万人)の各市を通るために利便性は高い。一方で函館線経由の場合、沿線の都市は人口約12万人の小樽市だけだ。車両の登坂性能が向上したにもかかわらず、JR北海道が特急列車を函館線経由としない理由もここにあるといえる。新幹線とて利用されてこそ生きる交通機関だ。輸送需要の旺盛な区間を後回しにした新幹線の建設は将来に禍根を残すこととなるであろう。

JR東日本の新たな新幹線計画は

JR東日本管内で未開業の新幹線は羽越新幹線の富山市-新潟市付近-秋田市付近-青森市間、奥羽新幹線の福島市-山形市付近-秋田市間、そして品川-甲府市付近-名古屋市付近-奈良市付近-大阪市間の中央新幹線の一部である。かつては成田新幹線の東京都-成田市間の計画も立てられ、実際に建設工事に着手された時期もあったが、国鉄の分割・民営化時に失効となり、現在計画は存在しない。

JR東日本にまつわる新幹線の意義を問う前に常磐線系統の特急列車の盛況ぶりに触れる必要がある。同系統の特急列車は本数、総連結両数ともに突出した数値を記録しており、特に品川・上野-土浦間での740両という総連結両数は今回取り上げたすべての区間のなかで最多だ。

全国有数の通勤路線でもある常磐線の輸送力が行き詰まっていることは誰の目にも明らかである。にもかかわらず、「常磐新幹線」の計画は立てられていない。鉄道業界内でも最大級の謎といえる。つくばエクスプレスこと首都圏新都市鉄道の常磐新線が、新幹線の代わりとして開業したと考えられているからかもしれない。

「羽越新幹線」は実現するか

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2015年、ついに開業を果たした北陸新幹線。新型新幹線車両E7系で東京ー金沢間を最短2時間28分で結ぶ

羽越新幹線として計画されている富山市-青森市間のうち、富山市と上越市との間は北陸新幹線の上越妙高-富山間としてこの春に開業を果たした。なお、51.7kmと距離は短いながら、奥羽線の大曲-秋田間もミニ新幹線こと新幹線鉄道直通線の秋田新幹線として整備済みだ。

今回必要性を探ってみたのは信越線系統の上越妙高-新潟間、羽越線系統の新潟-酒田-秋田間、奥羽線系統の秋田-青森間である。いずれも未着工だ。いま挙げた3系統の特急列車中、本数、総連結両数が最も多いのは羽越線系統の新潟-酒田間である。数値は14本、98両であり、在来線の輸送力が行き詰まっているとはとうてい言えない。

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