初代社長が語る、JR東海の「観光列車論」 東海道新幹線は観光列車になりうるのか
鉄道には4つの役割がある
――鉄道をどのように観光資源にできるのでしょうか。
観光における鉄道の役割は4つある。
まず、観光地へ行くアクセス手段としての鉄道。これは原点ですね。2番目は、鉄道に乗ること自体を観光とする。最近、あちこちに観光列車というのがありますね。列車自体が観光資源になっている。
3番目に、鉄道に乗らなければ見ることができない景色というのがある。代表的なのが「鉄道3大車窓」。それ以外でも、鉄橋を走っている列車から下を見下ろす風景もすばらしい。4番目は鉄道遺産。廃線跡、古い駅。これは私どもが持っている産業遺産です。
――日本で一番古い駅が武豊線にありますね。
亀崎駅(愛知県半田市)です。建物資産標には「明治19年」と書いてある。武豊線の開通した年です。
当時、名古屋港がまだ港として完全なものではなく、しかも駅と港が離れていた。一方で、武豊にはよい港があった。そこで、武豊港と熱田を結ぶ鉄道ができた。名古屋付近の鉄道はこうして始まった。その時にできた駅舎が、今も使われている。


















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