売りに出た「湘南モノレール」が進む道とは? 三菱グループを抜け、みちのりHDの傘下に

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湘南エリアの"足"である湘南モノレール。6月8日付で、みちのりHDの傘下に入った

車窓から真下の道路が見える。まるで宙を飛んでいるようだ。いつもの鉄道からの風景に見慣れた人はびっくりするに違いない。

湘南モノレールは大船―湘南江の島間の8駅、6.6キロメートルを14分で結んでいる。江の島観光に便利な路線であり、沿線住民向けの生活路線でもある。商店街や住宅のすぐ脇をモノレールが走り抜ける様子は未来都市のようだ。だが、そばを歩いている人は見向きもしない。地元の人にとっては、もはや日常の風景となっている。

そんな湘南モノレールの株式が、交通事業を支援する「みちのりホールディングス(HD)」に売却されると、5月22日に発表された。みちのりHDは、冨山和彦氏が率いるコンサルティング会社、経営共創基盤の100%子会社。地域交通の活性化を目指し、福島交通、岩手県北バス、関東自動車などの交通事業者を傘下に抱えている。

なぜ売りに出されたのか

「利用者数が伸び悩んでいる」――。売却の理由としてこんな報道も出されたが、ここ数年の利用者数は年間1000万人前後で推移している。運賃収入から諸経費を差し引いた営業利益もほぼ毎年黒字で、経営危機に瀕しているわけではなさそうだ。

湘南モノレールは、55.2%を出資する三菱重工業を筆頭に、三菱電機、三菱商事など三菱グループによって1966年に設立され、1970年に運行を開始した。湘南地域の住宅開発に伴い、同地域の交通利便性を図るのが設立の目的だったとされる。

メーカーが大株主というのは、鉄道会社としては異例だ。「湘南モノレールをモデルケースとして、同タイプのモノレールを全国各地に売り込みたいという狙いがあった」と、三菱グループの関係者は明かす。

次ページでは、なぜ売却されたのか
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