水戸岡デザインは古い?「観光列車」に新時代 これからの楽しみは"乗る"だけじゃない
4月29日、新幹線開業に沸く北陸エリアで、新たな観光列車が走り始めた。能登半島の第3セクター鉄道会社・のと鉄道の「のと里山里海号」である。車両デザインを担当したのは、山村真一氏が代表を務める名古屋市のデザイン会社「コボ」だ。
三菱自動車で「ギャランFTO」「ランサー」などのデザインを手がけた山村氏は、輪島漆器の新商品開発を指導するなど、石川県とのかかわりも深い。「石川県のエコデザイン審査員も務め、地元産品の強みを知り尽くした存在」(のと鉄道)なのだ。外観は能登の海をイメージした日本海ブルー。内装には、輪島塗をはじめとした能登エリアの伝統工芸品がふんだんに使われている。
接客方法にもひと工夫
優れた観光列車は、車両デザインだけでなく、客室乗務員のおもてなしも重要だ。のと鉄道は、今回の観光列車導入に際してアテンダントを4人採用した。
ただ、列車内での接客は皆、未経験。そこで、のと空港の近くにある日本航空高校で航空機の客室乗務員向け研修を数日間受講して、接客ノウハウを身につけたという。
営業運転開始に先立つ4月15日に開催された試乗会では、アテンダントが車窓の風景を一生懸命に解説していた。すらすらと話している箇所もあれば、メモを見ながら話している箇所もあった。ワープロで作成されたメモは無数の赤字が加筆されていた。車窓を見て気づいたことを記入しているのだろう。アナウンスは回を重ねるごとに洗練されていくに違いない。
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