水戸岡デザインは古い?「観光列車」に新時代 これからの楽しみは"乗る"だけじゃない
その一方で、独自のデザイナーを起用して観光列車を開発する動きも増えてきた。JR九州が水戸岡氏を起用してスタートさせた観光列車戦略が第1段階だとしたら、いよいよ第2段階に突入したともいえる。
昨年7月には、JR四国が観光列車「伊予灘ものがたり」の運行を開始した。特筆すべきは、車両デザインを著名な外部に頼らず、自社の社員に任せた点だ。
デザインを手掛けたのは、1991年入社の松岡哲也氏。これまでに本四架橋を走る「マリンライナー」のラッピングデザインを手掛けた実績がある。当初は水戸岡氏も含めて外部デザイナーの起用も検討したが、四国をよく知っているか、また単発ではなく、継続的に関与できるかといった点から、愛媛県出身の松岡氏に白羽の矢が立った。
JR四国で建築畑を歩んできた松岡氏。自身は「車両デザインは素人」と語るが、その代わり、発想は斬新だ。代表例が喫茶店の椅子のような車内座席。鉄道の座席はこうあるべきという固定観念にとらわれていると、こうした発想は生まれない。
福島に"走るカフェ"が登場
4月25日には、JR東日本が「フルーティアふくしま」の運行を開始した。資本力のある同社は、東北地区だけでも「東北エモーション」「SL銀河」「とれいゆつばさ」といった多数の観光列車を投入している。
これらのデザインは東北新幹線E6系をデザインした奥山清行氏が手掛けているが、フルーティアふくしまをデザインしたのはGKデザイン。キッコーマンのしょう油びんやヤマハの2輪車で知られるデザイン会社だ。鉄道では、秋田新幹線E3系などを手掛けている。
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