山手線に新型車両が導入される本当の理由

JR東日本の「世代交代戦略」は成功するか

2015年3月に完成したE235系。今後、量産されて山手線の主力車両となる(撮影:遠藤真人)

2015年3月末、次世代の山手線用電車となるE235系の量産先行車が報道公開され、先鋭的な外観や中吊り広告の廃止などが話題となった。その後、今年秋の営業運転開始に向けての試運転が始められ、数年のうちに現在のE231系500番代を全面的に取り換えることが予想されている。

E231系はJR東日本の首都圏向け主力電車のひとつで、500番代は山手線専用として設計されたグループだ。第1編成の完成は2002年1月。2005年4月までの3年あまりのうちに、11両編成52本、計572両が新製され、先代の205系を完全に取り換えた。

E231系500番代の登場からE235系の登場までは、約13年である。205系が登場し、さらに先代の103系の取り換えを開始したのは1985年1月。そこからE231系500番代の登場までは約17年だが、この間には1987年の国鉄分割民営化があった。JR東日本は発足当初、経営方針が定まるまで、国鉄の設計思想に基づいた205系を新製し続けている。

この早い車両交代サイクルは、何を意味しているのであろうか。

一般的な車両の寿命は30~40年

税法上、電車の減価償却期間は13年だ。実際には鉄道車両の寿命はもっと長く、在来線の場合は30~40年は使われるケースが多い。

「先々代」の山手線用車両205系。国鉄が設計し、初期のJR東日本も新製投入した(撮影:遠藤真人)

現在、JR東日本が所有している電車で古いものとしては、高崎地区などで使われている115系があり、最新の車両でも1983年製。車齢30年以上になる。

後継車に取り換えられた山手線の先代車両も、廃車になったわけではなく、ほかの路線で使われ続けている。ステンレス製の電車は劣化しにくいため、鋼鉄製の電車より長い寿命を保つことが可能だ。元山手線用の205系は、今でも武蔵野線などを走っている。

山手線は日本を代表する通勤路線だ。JR東日本も高収益を見込めるからこそ、設備投資として最新型電車を投入し、減価償却が進み旧式となった電車を収益性が低い路線に転用。さらに老朽化・陳腐化が激しい古い電車は廃車し、サービスと収支、両面の改善を図ろうというもくろみはもちろんある。

ただ、そうしたやり方は国鉄時代から行われてきたし、ほかの鉄道会社においても当たり前の経営手法と言える。ではJR東日本がユニークなのは、どのようなところだろうか。

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