100円稼ぐのに、916円かかる鉄道会社は? 営業係数で見た「ワースト20鉄道」ランキング

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「あまちゃん」ですっかりおなじみの三陸鉄道。100円収入を得るのにかかる費用は約335円(撮影:梅谷秀司、2013年撮影)

鉄道業界では、営業係数という数値をしばしば用いる。営業係数とは「100円の営業収入を得るために、どれだけの費用をかけているか」を見る指標である。

最も営業係数が良い鉄道会社は、大阪港トランスポート

営業費を営業収益で除した後に100を乗じた数値を指し、100を下回れば営業利益、100を上回れば営業損失をそれぞれ計上していることを表す。

なお、国土交通省鉄道局が取りまとめている『平成23年度 鉄道統計年報』(電気車研究会)には、営業費に減価償却費を含めるか否かによって、2通りの営業係数が掲載されている。一般的に言って償却後の数値のほうが判断に役立つと思われるので、本稿では減価償却費を含めた営業係数を用いることとしよう。 

旅客輸送を行っている全国の鉄道会社の中で、2011(平成23)年度に営業係数が最もよかった鉄道会社は、大阪港トランスポートシステムの26.1である。

あまり聞き慣れない社名であるのも道理で、同社は線路や施設だけを保有し、旅客輸送そのものは他社に委託しているのだ。同社が所有する線路や施設は、大阪市交通局が地下鉄中央線や新交通システムの南港ポートタウン線のそれぞれ一部として営業を行っている。

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