100円稼ぐのに、916円かかる鉄道会社は? 営業係数で見た「ワースト20鉄道」ランキング

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

鉄道会社にとって、定期乗車券はまとまった金額を事前に得られるというメリットがあるし、通学定期乗車券の割引率が高いのは教育の意味合いも強いので、もちろん一概に悪いとは言えない。だが、営業係数を100未満に抑えたいという観点から見れば、旅客運輸収入に占める定期乗車券の売上高の割合は少なくしたいところであろう。

熊本くま川鉄道の「定期乗車券」比率は62.4%

20社中、旅客運輸収入に占める定期乗車券の売上高の割合が最も高いのは熊本県のくま川鉄道の62.4%、最も低いのは岡本製作所と神戸すまいまちづくり公社で、ともに0%である。

ケーブルカーのように、観光客主体の鉄道では定期乗車券の利用客が皆無かほとんど少ないから当然として、20社の平均は43.5%に達してしまう。営業係数ワースト20にランクインしてしまう鉄道会社は、旅客運輸収入に占める定期乗車券の売上高の割合が概して高いと言ってよい。

このような考え方が正しいかどうかを検証してみよう。今度は旅客運輸収入に占める定期乗車券の売上高の割合の高い順に20社を挙げ、各社の営業係数を見ていこうというものである。

全国平均が30.9%であるところ、1位となったのは、先ほど紹介したくま川鉄道となってしまった。一方、営業係数が100を下回っているのは、東葉高速鉄道(とうようこうそくてつどう)、北総鉄道、泉北高速鉄道、首都圏新都市鉄道、神戸電鉄、相模鉄道の6社と少数派にすぎない。6社は皆、大都市近郊の通勤路線を抱える鉄道会社であり、利用客の数自体が多いから営業利益を計上できているのであろう。

次ページ定期券の扱いはどうすればいいのか?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事