西日本で新たに新幹線が走るのはここだ! 特急列車の運行本数を基に独自予想

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山陽新幹線500系。N700系の登場により「のぞみ」での運転から引退。現在は「こだま」として運転

前回は、JR北海道・JR東日本・JR東海各管内に運転されている在来線の特急列車の本数と総連結両数とを算出し、全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に関連して立てられた「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」(基本計画)にリストアップされた未開業の新幹線の必要性を占った。今回は引き続き、JR西日本・JR四国・JR九州の各管内に関連する新幹線についての考察を行ってみたい。

JR西日本の新たな新幹線計画は

北陸新幹線では、現在金沢-敦賀間が建設中で2023年春の開業を目指す。並行する北陸線系統を行く特急列車の本数、総連結両数は敦賀-福井間が78本、606両、福井-金沢間が86本、648本と、両区間とも輸送力はほぼ限界といってよいほどの数値を示した。この区間への北陸新幹線の建設に異論はない。

沿線の自治体などでは北陸新幹線の敦賀-大阪市間の早期着工を訴える。並行する北陸線系統の大阪-敦賀間の特急列車はというと、本数は46本、総連結両数は414両と敦賀-福井-金沢間と比べれば少ないものの、依然として高い数値を示す。北陸新幹線が京阪神圏と福井・石川・富山の各県との間を結ぶことで生じる利便性を考えれば、着工も妥当と思われる。

敦賀市-名古屋市間の一部を結ぶ北陸・中京新幹線という構想もある。敦賀市を起点に米原市付近を経由し、名古屋市を終点とすると仮定すると、JR西日本管内での北陸・中京新幹線に並行する在来線は北陸線系統の米原-敦賀間となる。特急列車の本数は32本、総連結両数は192両という状況は新幹線を建設するまでもなく、在来線の輸送力で十分という結果となった。

ところが、北陸新幹線敦賀-大阪市間で検討されているルートに関連して、ここ最近になって北陸・中京新幹線が脚光を浴びている。敦賀市-大阪市間では東側から米原、湖西、若狭の3ルートが立案され、米原ルートがそのまま北陸・中京新幹線のJR西日本管内の区間に合致するのだ。

米原ルートにはつぎのような欠点が挙げられる。米原-大阪市間に新たな新幹線を建設しないで済むのならば、3ルート中最も建設工事費は安価となるが、代わりに過密路線の東海道新幹線に乗り入れなければならないのだ。かといって、若狭、湖西の両ルートにもデメリットはあり、北陸・中京新幹線が北陸新幹線と名を変えて開業を果たすかどうかはいまのところ何ともいえない。

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