ゲーム世界の「褒め方」は極めて合理的だった

仕事人にも役立つ「リアクションの本質」

例えば、新人研修において、何か複雑な作業の流れを把握させたい場合は、ゲーム形式にするとうまくいくことがあります。その仕事の流れを、いくつものステップに分解して、ひとつのステップをひとつのチャレンジゲームとして作ります。そしてゲームの進行時には、ゲームのプレイヤー(社員)に適切な「質」「量」「タイミング」で「ポジティブなリアクション」を多めに伝えるのです。

心理学の観点からも有効

実際の大規模なゲームの開発では「フォーカステスト」というものを行い、プレイヤーの表情をビデオに撮って観察しながら、興奮したり笑顔が増えたりするポイントを確かめています。ここで重要なのは、「人を褒める」のではなく「そのアクションを褒める」ことに集中することです。すると、多くのプレイヤーは、正しいアクションを取りたがるようになります。

これを、何ステップも重ねて、最終的に教えたい仕事の流れとして作りあげると、最終的に参加者は「正しいアクションとは何か?」ということについて深く考えるようになります。

これは、心理学の「スモールステップの原理」によく似ています。

「スモールステップの原理」は、アメリカの心理学者バラス・スキナーによって提唱されたものです。

スキナーは「プログラム学習」と呼ばれる学習法を考案しました。これは、「オペラント条件付け」と呼ばれる原理を応用したもので、学習のステップを小刻みに設定し(スモールステップの原理)、学習者が積極的であるか(積極的反応の原理)、学習者がステップごとに正しい理解ができたかを、その場その瞬間で判断してフィードバックします(即時確認の原理)。また、学習者のペースに合わせて指導します(学習自己ペースの原理)。

ゲームでは、プレイヤーにゲームのルールを教えるとき、この「スモールステップの原理」を最大限にするために「リアクション」を重視してます。ビジネスにおいても応用できる場所は、いろいろとあると思うので、ぜひ覚えてみてください。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 意外と知らない「暮らしの水」ウソ?ホント?
  • 財新
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT