ゲーム世界の「褒め方」は極めて合理的だった

仕事人にも役立つ「リアクションの本質」

ゲームの場合、現実世界とは違い、とにかく「ポジティブなリアクション」に重点をおいています。ゲーム内のコインをプレゼントしたり、ファンファーレを鳴らしたりと、ありとあらゆる方法で、プレイヤーが行動したリスクに見合った分だけ「よくできました!」と褒めてあげます。

褒め方もしかり方も絶妙

例えば、ひとつのステージに10個のチャレンジがあれば、10回褒めてあげます。ゴールまで辿り着いたら、盛大に褒めてあげます。ゲームは、プレイヤーを褒めて褒めて伸ばすのです。

逆にプレイヤーに不利益になるような行動をした場合は、「ネガティブなリアクション」を返します。しかし、ゲームは「お前はダメだ」なんて言いません。ちょっとだけブザー音を鳴らすなど、プレイヤーが行った「アクション」にのみ注意するように設計します。

現代社会で、本当に心の底から褒められることは、あまりありません。それは、「褒める」ことがとても繊細な行為であり、また精神力も使うからです。しかし、疲れ知らずのコンピュータで動くゲームでは、プログラムによって、プレイヤーを的確なタイミングで褒め続けることができます。これこそが、老若男女、全世界のプレイヤーをゲームが熱中させる仕組みに他なりません。

さて、お子さんをお持ちの親御さんは、この話を聞いて思わず「え、それなら、ずっとゲームに熱中したままになるんじゃないの?」と心配になるかもしれません。そこは大丈夫です。どんなにゲーム開発者が頑張っても、「永久にプレイヤーを飽きさせずに褒め続ける方法はない」からです。ゲームは、必ず飽きます。そこが、人のコミュニケーションとは違う点です。人のコミュニケーションは、時間を掛ければ、ときには深く、そして相互に理解しあえるかもしれません。

しかし、人と人のコミュニケーションは、ビジネスなど緊張する場面では精神的に疲れることもあります。そこで、ゲームの技術と人のコミュニケーションを組み合わせることで、お互いを楽しく理解し合える「場」を作る方法をご紹介しましょう。

これまで紹介した「ゲームをおもしろくするリアクションの技術」は、会社での仕事の仕組みや流れを教えるのにも役立ちます。

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