トランプに描かれる、人間の変わらない本質 英雄は「富」にも「愛」にも貪欲だ
来週はお盆。学校も夏休みのこの時期、旅行に出かけたり、帰省したりする人も少なくないだろう。そんな長旅のときに、トランプ遊びでついつい盛り上がってしまったことはないだろうか。
あえて説明する必要もないかもしれないが、トランプとは、スペード、ハート、クラブ、ダイヤの4種類のマークの13枚の札とジョーカー1枚の計53枚を一組として、さまざまなゲームが楽しめる室内遊戯具だ。このトランプに実は知られざる物語が隠されているのをご存じだろうか?
まずは、絵札に注目してほしい。キング(K)、クイーン(Q)、ジャック(J)の3種類にそれぞれスペード、ハート、クラブ、ダイヤのマークの計12枚がある。ただ、たとえば同じジャックでもよく見るとマークによって、右を向いていたり左を向いていたり斜めを見ていたりと、顔の向きがバラバラになっている。
この差はいったい何なのだろうか。TBSテレビ『この差って何ですか?』(次回は8月9日<日>よる7時から放送)取材班は、大阪商業大学アミューズメント産業研究所の高橋浩徳さんに話を聞いた。
トランプの絵札にみる人生観の差
高橋氏によると、「そもそもトランプの起源は10世紀頃の中国だといわれていて、その歴史は大変古く、トランプの絵柄に関する文献は残っていない」という。そのため「あくまでも後世の人間が想像した説にすぎませんが……」と、前置きしたうえで、大変興味深い話を教えてくれた。
実は、カードのマークにはそれぞれ意味がある。
ハート「愛」
ダイヤ「おカネ」
クラブ「学問」
スペード「死」
をそれぞれ象徴している。そして、キング、クイーン、ジャックそれぞれの顔の向きが違うのは、カードのマークを象徴するものが好きか嫌いかの差になっているというのだ。