ライオンCM「警告音に似ていて物議」が必然のワケ 「テレビCMの音」の重要性は年々増している

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最近では、年越しの除夜の鐘にも「うるさい」と苦情が来て中止せざるをえない状況だ。盆踊りでも同様のことが起こり始めている。

筆者は、都内で行われている野外イベントにほぼ毎年通っているのだが、昨年あたりから野外ライブの音量が下がり、迫力がなくなったと実感させられた。周辺地域からの苦情を考えて、音量を下げているものと思われる。

世間の声を聞きながら都度対応するしかない

音量に限らず、どのような音を「うるさい」「うっとうしい」と感じるかは人によって異なるので、さらに悩ましい。

例えば、日本人は虫の鳴き声を聞くと「秋が来たな」「風流だな」と感じて耳を傾けたりするが、欧米人にとっては、虫の鳴き声は単なるノイズにしか聞こえないという。

筆者の生活動線は新大久保や大久保の多国籍エリアを含むが、この界隈に行くと、外国人の会話やスマホで通話している声が気になることが多い。筆者を含む日本人の多くは「うるさい」と思うのだろうが、彼らにとっては通常のことだろうし、他人の話し声もさほど気にならないようだ。

広告の話題に戻ろう。効果を上げるために、音の工夫を凝らさなければならなくなっているが、その工夫を「不快」「うざい」「紛らわしい」と感じる人もいる。

本稿で具体的な解決策を提示したいのだが、残念ながらそうしたものは存在しない。随時、世間の声に耳を傾けながら、落としどころを探っていくことを繰り返すしかない。対応策として提示できるとしたら、それに尽きる。

【写真】「Jアラート」に似てる? 放映中止となったライオンのテレビCMを見る
西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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