ライオンCM「警告音に似ていて物議」が必然のワケ 「テレビCMの音」の重要性は年々増している
例えば、「ライザップ」と聞いて、テレビCMで放映された独特のBGMを想起する人、日清食品チキンラーメンのCMの「ポン ポン スポポン」というフレーズが頭に残っている人も多いだろう。
こうしたCMを「うっとうしい」と思う人も一定数いて、SNS上でも批判的な投稿が散見される。比例関係にあるとまでは言えないが、効果が高いCMほど、不快に思う人も増える傾向がある。
実はテレビCMの音に関しては規制があり、近年強化される傾向にある。2012年10月より、テレビ番組やCMの新たな音量評価指標「音声レベル運用規準(ラウドネス)」の運用が行われている。これによって、テレビCMを含むテレビ放送の音量が規格化されることになった。
2015年8月には、酒類の業界団体が、アルコール飲料のCMで使われる「ゴクゴク」などの効果音がアルコール依存症者や未成年の飲酒意欲を煽るとして、今後は使用しないことを決定している。
いずれも法規制ではなく、自主規制だが、視聴者がテレビCMの音に対して敏感になっていること、広告の公共性が重視されていることが見てとれる。
街中の音が小さくなっている?
最近、都市部で目にするようになったアドトラック(宣伝カー)についても、拡声器の音が問題になっており、自治体レベルで規制が強化され始めている。
SNSの普及により、視聴者、消費者が自由に発言できるようになり、その声を企業側も気にするようになったことも大きい。
しかし、その一方で、「どこまで彼らの意見を汲み取るべきか?」という問題も生じてくる。
筆者は職業柄、テレビ番組よりもCMのほうを意識して視聴しているので、テレビCMの音が気になることはほとんどない。むしろ、バラエティ番組の効果音のほうがうるさく感じ、過剰演出をしているように思えてしまう。
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