日テレ、広告の「新型取引」でCMはどう変わるのか 広告主側が持っていた「不満」を解消できる?

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Interop
6月12日に幕張で開催されたインターネットテクノロジーのイベント「Interop」では、日本テレビが開発中のアドリーチマックス(AdRM)の中心メンバーが80分間にわたってプレゼンを行った(筆者撮影)

2023年のインターネット広告費は電通の集計によると3兆3330億円で、広告市場としては最大だ。2010年代まで王様だったテレビ広告費は地上波だけでいうと1兆6095億円。インターネット広告費の半分を切ってしまった。

2025年春にサービス開始予定

地上波テレビ局の放送収入が2021年度以降、減少し続けている一方でTVerのCM売り上げは驚異的な成長を遂げている(キー局決算で見えた「TVerによる驚きの配信収入」)。ただし、テレビ局の危機脱却策は、TVerだけではない。CMの売り方を変えることでその価値が見直される可能性もある。それが日本テレビが開発中のアドリーチマックス(AdRM)プラットフォームだ。

日本テレビが2023年11月に発表したAdRMは、2025年春のサービス開始を予定している。発表からローンチまで1年以上かけることに、日本テレビの本気度がうかがえる。少しずつ他のキー局や広告代理店、系列を問わずに準キー局、ローカル局に説明していき、時間をかけて着実な浸透を図る戦術だ。先を急ごうとしない姿勢に逆に自信を感じる。

AdRMはTVerのような放送とは別の新商品ではなく、テレビCM取引そのものを変える。その基本的な考え方は、テレビCMをネット広告の取引手法に近づけることにある。

6月12日に幕張で開催されたインターネットテクノロジーのイベント「Interop」で取材した情報を含めて解説する。

広告取引の主流はネット広告なのに、テレビ広告の取引形態は1970年代から変わっていない。AdRMはこれを、ネット広告の取引に合わせていく。テレビ広告は形態で言うと「予約型」。CMをあらかじめこことあそこに放送しますと「予約」する。これに対し、AdRMでは枠の予約ではなくリアルタイムの枠運用も可能になる。インターネットでは主流の「運用型」の広告商品に対応できるのだ。

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